和歌山市消防局は11日、ユーチューブでゲーム実況の動画を投稿して収益を得ていた男性消防士長(33)を地方公務員法違反で減給1か月と発表したが、この消防士長の“才能”が話題になっている。
消防士長は2020年12月から21年10月まで動画投稿を行っており、約115万円の収益を得ていた。このことから同消防局は副業を制限する地方公務員法38条違反と判断。現在、消防士長は動画投稿をやめているという。
発覚の経緯は昨年10月に和歌山市に情報提供のメールが届いたことに始まる。同消防局担当者は「『誰がやってる』とは書いていなかったですが、調査の過程で本人から『やりました』と報告がありました。『認識が甘かった』と話しています」と明かした。
動画は300本以上投稿されていたが、本業に影響はなかったのか。「仕事は(火事があれば駆けつける)現場対応でした。休みの日にゲームをしていたといい、勤務態度に問題はありません」(前出の担当者)
動画の内容はオンラインで集まった複数人でゲームをプレーし、顔を出さず、声だけで実況するというもの。チャンネル登録者数は今月5日時点で1万4600人だという。
なかなかの数字である。ネット事情に詳しい関係者は「ユーチューブで収益を得る条件の一つがチャンネル登録者数1000人以上で、かなりハードルが高い。また、ゲーム実況は参入者が多く、収益化は簡単ではありません」と話した。
この消防士長は話が面白かったり、イケボ(イケてるボイス)だったりしたのだろうか。「声に特徴があるのか、実況がうまいのか。どちらにせよ能力があったのでしょう」と前出担当者も話した。
これだけの才能があれば、別の生き方もあるかもしれないが、今のところ「消防士をやめるという話は聞いていない」(同)とのことだ。