ボクシング元3階級制覇王者の田中恒成(26=畑中)が米国挑戦の野望を語った。
昨年大みそかにWBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(志成、当時はAmbition)に敗れて以来、1年ぶりの再起戦(愛知・名古屋国際会議場)で石田匠(井岡)に判定勝利。一夜明けた12日、兄で東京五輪ボクシング男子フライ級銅メダルの亮明(28=岐阜・中京高教)とともに2人の後援会主催の祝勝会に出席した。
恒成は前日の試合を「リラックスしてできてよかった。ただ、もっとピリッとすることも大事なので(その間の)ちょうどいいところを見つけていきたい」と振り返り「4階級、5階級制覇はあきらめていない」と今後の目標を語り、会場を沸かせた。
その後に報道陣に対応し「今は来年の4階級制覇しかまだ見えていない。来年は2試合で十分」と、まずは4階級制覇を主眼に置いた。挑戦したい王者の名は挙げなかったが「相手というより米国のリングに挑戦したい。慣れない環境でより緊張感があるだろうし、日本より難しい条件がある中で、どこにいても自分の力を出すということをやってみたい。もっと緊張を味わいたいし、その分だけ勝った時にもっとうれしいと思う」と本場のリング上陸に熱い眼差しを向けた。
一方、3年後のパリ五輪出場が期待される中、去就を明言していない亮明は「続けるかはまだ時間がかかりそう。今は体動かしているが、生徒の試合も近い。まだ自分の教え子が(全国規模の大会で)メダルを取れていないので、当面は生徒にメダルを取らせること。またアマチュアボクシングが好きだから、それを広めたい」と語るにとどめた。