新パートナーとともに〝第二章〟のスタート――。元世界3階級制覇王者の田中恒成(26=畑中)が昨年大みそか以来の1年ぶりの再起戦(11日、愛知・名古屋国際会議場)に勝利。IBF世界スーパーフライ級5位の強豪・石田匠(30=井岡)を判定で下し、再出発を切った。試合後は「笑顔で試合できたのはプロになってから初めて」と久々の勝利の味にすがすがしさを感じていた。
昨年大みそかにWBO世界同級王者の井岡一翔(志成、当時はAmbition)にプロ初黒星。カベの高さを見せつけられ、敗戦の事実を抱えたまま1年を過ごすことになった。それでも、自分の良さを消さずにボクシングスタイルに変更を加えるなど試行錯誤。さらに新たに村田大輔トレーナーとタッグを組んだ。田中は「楽しくボクシングができるようになった。プライベートの話もよくしたし、ボクシングへの取り組み方とかが一生懸命というだけから、楽しさも加わった」と新パートナーへの信頼を口にした。
それは試合中の頼もしさにもつながる。「緊張しなかった。俺がうまくいかなかったら大輔さんが、何とかしてくれる。任せられる人が近くにいて試合をすることができた。(これまでは)自分で何とかしなきゃと、ずっと思っていた。自分の頭の中が一番正しいと信じていた。それをあえて思考停止くらいにさせて、任せて気が楽になったのかも」
一方で 村田トレーナーは「大変だったと思うが意欲的に取り組んでくれた。信頼してやってくれた」と〝相思相愛〟。続けて「今日は何とかしてやれなかったんで…」とのコメントに、田中が「勝てたんで全然いいですよ」とすぐにフォローを入れるなど息もぴったりだ。
所属ジムの畑中清詞会長は「うまくコミュニケーションを取る中で、大輔に頼ってみようという気持ちになったんじゃないかな。前の恒成なら今日は8Rくらいで倒しにいったと思う。でも、2人の会話は『まだ倒しにいかない』だった。まだ(相手を)削っていくということだったんだろうね」と試合中の2人のやり取りを明かした。
絶大な信頼を置く相棒とともに、田中は今後の飛躍を見据える。












