ボクシングのWBO世界ミニマム級タイトルマッチ(14日、両国国技館)で同級王者ウィルフレッド・メンデス(メキシコ)に挑戦する同級1位の谷口将隆(27=ワタナベ)が7日、同ジムで公開練習を行った。
決戦を1週間後に控え、実に冷静だ。「ラストのスパーリングとフィジカルトレーニングが終わり、今から体重調整と最終的な確認に入る状況。(対戦が)決まった当初より落ち着いていますね」。この日の取材では幾度となく「落ち着き」というフレーズを口にした。「余裕はないですよ」と苦笑しながらも、微妙な心境をこう表現する。
「落ち着きはあるけど、余裕ではないって感じ。今までは落ち着きと余裕をはき違えていました」
2019年2月の世界戦ではビック・サルダール(フィリピン)に判定負け。当時は「世界チャンピオンになりたい」という一心で、大切なものを見失っていた。
「前回は真っすぐしか見ていなかった。でも、今はフワフワした気持ちがなくなってきた。前回と違って勢い任せではなくなりました。俯瞰して見ながらやりたいことを探していきたいです」
新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大が懸念される中、相手のメンデスは来日。「うれしいですね、ホント。あと数日遅れていたら中止は延期になっていた。すべてに感謝したい」と開催を喜ぶ。メインイベントではWBAスーパー&IBF世界バンタム級タイトルマッチが組まれ、統一王者・井上尚弥(大橋)とIBF世界同級5位のアラン・ディパエン(タイ)が激突。すでにチケットは完売し、注目度も上昇しているが「もうホント、井上くん効果なので。井上くんの(試合の)ついでに見てもらい、それで覚えてもらえたら今回はヨシですね」と浮き足立つことなく、謙虚に〝モンスター効果〟を感じている。
2回目となる世界挑戦。前回より精神的にたくましくなった男は「コロナ禍で組んでもらったことに本当に感謝して、しっかり勝って世界チャンピオンになって年を越したいと思います」と静かに闘志を燃やす。ベルトだけでなく、主役の座も奪えるか。










