【ヘルス新潮流】コロナ禍で家飲みが習慣化して酒量が増えた人。ここ最近、今までの分を取り返そうと?外飲みや酒量が激増している人。昨年できなかった忘年会を予定している人…そんな酒好きの人に注意してほしいのが栄養面だ。あまり気にしたことがない人も多いだろうが、近年、その関係が注目されている。「お酒の『困った』を解消する最強の飲み方」(青春出版社)の著者で、オーソモレキュラー療法の専門家・溝口徹先生に詳しく教えてもらおう。

 ――お酒と栄養に関係があるって本当ですか?

 溝口医師(以下溝口)お酒が体に与える影響を考えたときに多くの方が肝臓に注目します。たしかに、アルコールを代謝したり解毒する際には肝臓に負担がかかります。しかし、アルコールが代謝されるときには、様々な栄養素も優先的に消費されてしまうのです。そのことを知っておかないと、人間ドックで「肝臓に問題なし」と言われても栄養面で徐々に様々な問題が出てくる要因になります。

 ――先生は栄養療法の専門家なんですよね

 溝口 理想的な栄養バランスを目指して食事を改善したりサプリメントを活用することで体の状態を良くし病気の治療につなげていくことをオーソモレキュラー療法と言います。大きな病気をしていない限り、大抵の人は栄養が足りていると考えています。ただ、栄養が足りていても理想的なバランスではない人もいますので、この療法を活用することで健康的な体をつくっていきます。理想的なバランスを達成していると、ちょっと寝れば疲れが取れたり風邪もひかなくなったりと体の調子がかなり良くなります。

 ――どうしてそのような医療に取り組むようになったのですか?

 溝口 もともとペインクリニックという痛みの専門医をやっていて、患者さんの痛む部位の神経付近に麻酔薬を注射するブロック注射などの治療を行っていました。しかし、痛みが慢性的に続く慢性疼痛の患者さんにはそういった注射での痛み止めが効かないため、痛みに悩み続ける患者さんも多かったのです。

 ――患者さんも先生もつらいですよね

 溝口 以前、妻の体調が悪くなったときに良い治療法を探していたところ、オーソモレキュラー療法に出会い、栄養バランスが体に影響を与えていたことを知りました。そこで、慢性疼痛の患者さんの栄養バランスも調べてみると、やはり皆さん偏っていたのです。その患者さんたちにもオーソモレキュラー療法を活用したところ、今まで何年も痛みに苦しんできたのに回復したという人がたくさんいました。今ではオーソモレキュラー療法は、内科的疾患から精神疾患、不妊治療まで、様々な病気や不調の改善に用いられるようになっています。

 ――そんな栄養療法の観点で見たお酒を飲むときの注意点があるとか

 溝口 お酒自体には栄養素は含まれていません。そのため、お酒だけの飲み方は栄養が消費される一方になってしまうので、必要な栄養素が含まれるおつまみを一緒に食べることが大切です。特に、アルコールの代謝にはビタミンB群が多く使われてしまうため、この栄養素を含む豚肉や赤身肉、卵、ナッツなどを食べることがおすすめ。例えば、最近はコンビニやスーパーで一人鍋が売られていますが、そんなときは卵を加えて食べるのも良いでしょう。 (次週はさらに詳しく)