ハリウッド俳優チャーリー・シーンがUMAマニアであることは、UMA界では公然の事実。2013年7月にスコットランドにネッシー探検に出かけたほどの“熱いUMAマニア”だ。

 結果は散々だった。友人(トッド・ジール&ブライアン・ペック)と3人で、ネス湖のほとりにある歴史的アルドゥーリー城にキャンプして観測を続けたが、ネッシーの姿をとらえることはできなかった。

 しかし、世界的な俳優の訪問はネッシーを刺激したのであろうか。アマチュア写真家デビッド・エルダーが白鳥を撮影中、水面下に何かがいることに気がついた。なんと15フィートの黒い影が長い波を引き起こしていたのだ。

 チャーリーのUMA探検はこれだけではない。ネッシー探検後、プライベートジェットで友人数人とアラスカに飛び、伝説の怪物「クシュタカ」が生息するといわれる川辺を探索したが、証拠は得られなかった。

 それでもチャーリーはなかなか強気な発言をしている。

「我々の装備があまりにも準備万端なのを見て、クシュタカは隠れて出てこなかったんだ。あの臆病者め!」

 このポジティブシンキング——UMAマニアのかがみである。

「クシュタカ」(あるいは「クーシュダッカー」とも呼ばれる)を日本語に直訳すると「陸のカワウソ人間」という意味になる。カナダとアラスカに住む先住民トリンギット族やチムシアン族の間で伝承されている未知の生物で、アラスカ南東の雪山を徘徊する。かなり凶暴で、人間を追跡し、場合によっては人間を殺してしまうという。その姿は異様で、半分が人間のような肢体で、残りはカワウソのような茶色の毛皮で覆われているといわれている。

 しかも質の悪いことに、川辺で赤ちゃんの泣き声や女性の悲鳴を模倣し、心配して飛んできた人間を誘い込んで殺したり、その人間に化ける(なりすます)こともあるらしい。

 弱点もある。銅、人間の尿、炎が苦手なのだ。クシュタカの難を逃れるには、これらの装備を持っていくといい。

 このクシュタカの正体だが、あまり一般に知られていないカワウソの凶暴性が生み出した可能性がある。なんとカワウソはワニさえも襲って捕食してしまうほど暴力的なのだ。ワニを狩るときは背後からキバを立てて襲いかかり、陸に引き上げ弱りきった後、内臓や肉を生きたまま食べてしまう。

 カワウソは日本の河童伝説のモデルになったといわれ、子供を引きずり込んで殺したと伝えられている。ワニを生きたまま食らうぐらいだから、人間の子供を食い殺すのは簡単であろう。この一見温厚に見える乱暴者カワウソがクシュタカの伝説形成に影響を与えた可能性は否定できない。

 カワウソ=河童=クシュタカという論考は、特徴が似ている点でも推し進めることができる。河童の仲間ともいわれる「川赤子」は川辺で赤ちゃんのような声で鳴くが、クシュタカも同様。また、河童は金属を怖がるが、クシュタカも銅を怖がる。さらに我が国ではカワウソが人間に化けると伝承されているが、クシュタカも殺した人間になりすます——やはり、この三者には何らかの関係がありそうだ。

 クシュタカの目撃談を多くの人がカミングアウトしている。米国のある高校生は山あいの自宅で数人の友人とゲームやテレビ観賞で時間を潰していた。あまりに退屈したので、夜の森を散歩することにした。すると山中の橋の付近で、人間と獣のハーフのような怪物に追跡された。怪物は裸で叫びながら、四つん這いで追ってきた。先住民から伝えられている子供を捕食するクシュタカとはこいつなんだと確信したという。