横綱初Vに〝黄信号〟だ。大相撲名古屋場所3日目(15日、愛知・IGアリーナ)、横綱豊昇龍(26=立浪)が幕内安青錦(21=安治川)の渡し込みに屈して、2日連続で金星を配給した。新横綱大の里(25=二所ノ関)が3連勝と好スタートを切ったなか、先輩横綱は1勝2敗と黒星が先行。元大関琴奨菊の秀ノ山親方(41=本紙評論家)がつまずきの要因を分析した。
横綱として初優勝を目指す豊昇龍が、早くも窮地に立たされた。立ち合いで安青錦を狙い通りに突き起こせず、右差しを許す展開。左上手で強引に投げを打つも、低い体勢の相手に食いつかれる。最後は渡し込みを決められて、土俵にあおむけに倒された。初顔の相手に完敗を喫した取組後の支度部屋では、前日に続いて取材対応せずに会場から引き揚げた。
安青錦は初土俵から12場所目で金星を獲得。年6場所制となった1958年以降の最速記録(幕下付け出しを除く)を更新した。相手にとっては快挙でも、横綱にとっては不名誉でしかない。豊昇龍の金星配給は2日連続、横綱3場所で通算7個目。金星を乱発する異常事態となっている。横綱が序盤でつまずいた要因はどこにあるのか。
この日の相撲内容について、秀ノ山親方は「豊昇龍は相手を正面に置いて押し上げながら中に入っていくのが本来の攻めの形。この日は外からまわしを取りにいって、力任せに振り回すように投げを打っている。悪い時の強引な攻めが出た。安青錦の間合いで勝負しているから、豊昇龍は攻めているようで逆に攻められていた」と敗因を分析する。
その上で「気迫は出しているんだけど、それが空回りして肩に力が入っている印象。勝たなければいけない、力強い相撲を取らなければいけないという精神状態に陥っているのでは。自分の相撲を見失ってしまっている」と指摘した。今場所は約4年ぶりに東西横綱がそろうなか、大の里は初日から3連勝。一方の豊昇龍は先に黒星を喫し、新横綱を追い掛ける展開となった。
ただ、横綱としての初優勝やライバルへの過剰な意識は〝命取り〟になりかねない。秀ノ山親方は「優勝のことを意識するのではなく、まずは自分の相撲を取り切ること。この日の安青錦だけでなく、この先も難敵が控えている。自分の間合いやリズム、本来の厳しい攻めを取り戻さなければ、大の里と当たる千秋楽までたどりつけない」と警鐘を鳴らした。
果たして、豊昇龍は大の里から主役の座を奪い返すことができるのか。早くも正念場を迎えた格好だ。












