新横綱にまさかの〝物言い〟がついた。大相撲名古屋場所初日(13日、愛知・IGアリーナ)、新横綱大の里(25=二所ノ関)が新小結欧勝馬(28=鳴戸)を一方的に寄り切って快勝。横綱デビューを白星で飾った。一方で、大の里が本場所で初披露した横綱土俵入りの所作を巡って、問題点を指摘されていることが判明。いったい、どういうことなのか。
大の里が本場所の土俵で横綱デビューを果たした。この日は新会場IGアリーナのこけら落とし。記念すべき日に満員札止めの観客の前で雲竜型の土俵入りを披露すると、結び前の取組では欧勝馬を一方的に寄り切って快勝した。
綱の務めを無事に終えた大の里は「(大関だった)先場所とやることが違って、初めてだらけ。(準備などの)タイミングを見つけるのが大変だったけど、今日勝てたのは大きい。土俵入りを含めて、先場所とはガラリと変わって、会場も変わった。その中で勝てたのは良かった」と安堵の表情。2日目以降へ向けて「集中してやっていく」と気持ちを引き締めた。
審判長の九重親方(元大関千代大海)は「〝悪い緊張感〟は一つも見られなかった。相撲も立ち合いが速かった。ああなると、相手は何もできない。新横綱として、いい初日だったのでは」と評価。土俵下の審判長の目から見ても、初日の新横綱は堂々とした姿と映ったようだ。
ただ、大の里を巡っては、横綱経験者の間で土俵入りの〝問題点〟も指摘されている。横綱は土俵に上がって柏手を2度打つ際、両ひざを開いて腰を割るのが正式な所作とされている。土俵を下りる直前にも同じ所作を繰り返す。そうしたなか、大の里は腰を割るのではなく、蹲踞(そんきょ)の姿勢で柏手を打っているのだ。
なぜ、大の里の土俵入りは通常の所作とは異なるのか。師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)は、一門の重鎮の芝田山親方(元横綱大乃国)に対して「大の里は股関節が硬いので、うまく腰が割れない。蹲踞した状態でないと柏手が打てない」という趣旨の説明をしているという。芝田山親方は「それは仕方がない」と一定の理解を示しながらも「横綱は土俵入りの美しさをお客さんに披露することも大事な仕事」と付け加えた。
横綱土俵入りの形は時代や力士によって少しずつ異なるものとはいえ、押さえるべき基本があることも確か。今回の大の里は股関節の硬さが原因で〝物言い〟がついた格好となった。果たして、和製横綱は指摘された課題を克服することができるのか。












