大相撲名古屋場所は13日、愛知・IGアリーナで初日を迎える。新横綱大の里(25=二所ノ関)が注目を集める一方で、横綱豊昇龍(26=立浪)は賜杯奪回へ闘志満々。また、次の大関の座を巡る争いも激しさを増している。元大関琴奨菊の秀ノ山親方(41=本紙評論家)による連載「がぶりトーク」では、新会場のこけら落としとなる名古屋場所を展望。見どころを徹底解説する。
【秀ノ山親方・がぶりトーク】読者のみなさん、こんにちは! 5月の夏場所では、大の里が圧倒的な強さで2連覇と横綱昇進を果たしました。新横綱として臨む名古屋場所も、優勝争いの本命とみています。ただ、豊昇龍も先場所の千秋楽、大の里の全勝優勝を阻止して意地を見せましたよね。新横綱が誕生して、先輩横綱としても負けられないところ。この2人が場所を引っ張っていく展開になるはずです。
もう一つの見どころとして、次の大関争いにも注目です。大の里が横綱に上がったことで、大関は琴桜1人だけになった。特に若隆景、大栄翔、霧島の関脇陣は「次は自分が上がる番だ!」と目の色を変えているはず。それぞれが自分の形というものを持っていて、三役での実績もある。誰が大関になってもおかしくないと思います。
若隆景は右ヒザの手術を乗り越えて、再び大関を狙えるところまで復活してきました。もともと前に出る圧力がある力士。大きなケガをしたぶん、以前にも増して前に攻めようとする意識が強くなった印象です。土俵上の表情からも、自分の相撲を取り切る覚悟のようなものが伝わってくる。横綱大関陣にとっても、侮れない存在です。
大栄翔の出足の瞬発力、突っ張りの威力は幕内でトップクラス。自分のリズムで相撲が取れている時は、手がつけられないほどの強さがある。霧島は大関にいたころの力が戻ってきている印象。粘り強い攻めが持ち味で、前さばきのうまさもある。3人とも賜杯を抱いた経験があることも強み。よく「関脇が強い場所は面白い」と言いますが、展開次第では優勝争いで台風の目になる可能性は十分にある。
新三役が目前の安青錦も面白い存在になりそう。まだ入幕から3場所目ですが、勢いだけではなく地力をつけて番付を上げてきている。低い角度で下から押し上げていく相撲は、基礎がしっかりできていないと、なかなかできません。足腰が強く、はたかれても簡単には落ちない。上位で相撲を取ることに慣れてくれば、大関争いに割って入るだけの力は持っていると思います。
それから、名古屋場所と言えば猛暑との戦いでもある。場所前にしっかりと稽古を積んで、本番の15日間を夏バテせずに乗り切れるか。食事や水分補給、睡眠といった体調管理も大事な要素になってくると思います。今年から新しい会場になり、力士の支度部屋や土俵、館内の雰囲気などの環境がどう変わるのかも気になるところ。両横綱をはじめ、各力士には新会場のこけら落としにふさわしい熱戦を期待したいですね。それではまた!












