殺人などの疑いで、インド警察当局に逮捕されたレスリングの五輪メダリスト、スシル・クマール容疑者(38=インド))が、拘置所でプロテインやサプリメントを要求し、「前代未聞」とインドで驚かれている。

 クマール容疑者らは5月4日、ニューデリーにあるチャトラサル競技場で23歳のレスリング選手ら3人に暴行。23歳の選手が死亡し、クマール容疑者らが殺害した容疑を持たれている。

「インディアン・エクスプレス」などによると、クマール容疑者は、弁護士を通じ、レスラーとしてのキャリアを追求するためという理由で当局に〝珍要求〟。拘置所で出されるインドパン5つや野菜、豆カレーなどの食事が足りず、プロテイン、オメガ3カプセル、マルチビタミン、ワークアウトサプリ、エクササイズバンドなどを求めた。

 これに対し、拘置所は「申し立てられた特別食品およびサプリメントは、被告人の願望および希望。本質的な必要性ではない」として却下した。

 クマール容疑者は逮捕前は東京五輪出場を目標に練習していたが、資格は取れていない。

 同容疑者は08年北京五輪で銅メダルを獲得し、ロンドン五輪では決勝で米満達弘氏(34)に敗れたものの、銀メダルを獲得したインドの英雄。変わり果てたヒーローの行方に、インド国民も注視している。