奇跡の復活劇だ。大相撲夏場所13日目(22日、東京・両国国技館)、十両炎鵬(31=伊勢ヶ浜)が十両明生(30=立浪)を破って8勝目。関取として約3年ぶりに勝ち越しを決めた。
元三役の実力者を相手に土俵際の下手投げで逆転。十両残留を確実にした取組後は「相撲をまだ続けられるんだなと。応援してくださる方のために、一日でも長く相撲を取りたいと思っていた」とかみしめた。
脊髄損傷で一時は寝たきりとなっても、不屈の精神ではい上がった。幕内経験者が序ノ口転落を経て関取に返り咲くのは史上初。ただ、親方衆の間では今場所の苦戦を予想する見立ても少なくなかった。
同じ一門の朝日山親方(元関脇琴錦)は「(十両では)正直、何年もブランクがあるから、厳しいだろうなと思っていた。はじき飛ばしてくる明生を相手に、それほど後退せず受け止めていた。怖いと思っているはずだけど、怖がっていたら相撲は取れないし、またケガをする。その中でよく頑張っているのでは」と率直な感想を口にする。
その上で「辞めるのはいつでもできる。この経験は現役でしか味わえない。ここまで耐えてきたメンタルや目標の立て方。いい指導者になれると思う。今は1場所でも長く続けてほしい」とエールを送った。親方衆も驚く関取最小兵の復活劇。今後の土俵にも注目だ。













