テニス界の闇は深そうだ。ロシアメディア「sports.ru」はドイツ公共放送局「ZDF」の報道を引用する形で「国際テニス連盟(ITF)とテニス汚職防止機関インターナショナル・テニス・インテグリティ・エージェンシー(ITIA)の調査資料に基づき、アスラン・カラツェフ(ロシア)とニコロズ・バシラシビリ(ジョージア)が不正な試合に関与している可能性がある」と伝えた。

 特にカラツェフは、副複数回にわたって八百長を行ったとの見方が出ている。直近では6月のダブルスの試合で、格上の選手を相手に4ゲームを奪取したことに〝疑惑の目〟が向けられた。男子プロテニス協会(ATP)や女子テニス協会(WTA)のツアーは、賭博の対象になるケースも一定数あるが、異様な形で賭博が実施されていることを疑問視。ITIAはすでに調査を開始しているものの、トム・メイス氏は「カラツェフの試合を分析したことは確認できるが、ITFとの契約上、特定の結果を公表することは禁じられている」と話すにとどめている。

 カラツェフとバシラシビリは、ともにベラルーシ人のイェゴル・ヤツィクコーチに指導を受けていた過去を持つ。ヤツィクコーチはかねて八百長を指示したとの疑惑が浮上したこともあり、警察からの調査を受けたこともある。実際に関係者からは「彼はいつも大金を持ち歩いていて、ツアーでは経済的、心理的な問題を抱えた若い選手を探している」との指摘もあるという。

 今年5月には八百長に関わった女子のクセニア・パルキナ(キルギス)に16年間出場停止の厳罰が下されるなど、近年のテニス界では八百長で告発された選手が複数出ている。

 現時点で真相は不明だが、一刻も早い真相究明が求められる。