【テニス】大谷桃子 シングルスでメダルを狙える 昨年の全仏OP準Vで手応え

2021年02月07日 10時00分

全仏で準優勝のシャーレを掲げた大谷。大きな手応えをつかんだ(古賀雅博コーチ提供)

【Restart パラヒーローズ その壁を乗り越えろ(25)】車いすテニス界に彗星のごとく現れたのが大谷桃子(25=かんぽ生命)だ。2度目の4大大会となった昨年10月の全仏オープンでは準優勝。一躍世界にその名をとどろかせたヒロイン候補の夢が、現実味を帯びてきた――。

 テニスの神様は見捨てていなかった。作新学院高(栃木)時代には、ダブルスで全国高校総体(インターハイ)に出場。卒業後は「サポートする側に回りたい」と鍼灸師の専門学校へ進学した。しかし、入学後に病気を発症。休学を余儀なくされたことで、一時は家に引きこもっていたという。しかし「スポーツ関係の仕事をやりたいなって思ったので、大学に行こうと思った」と西九州大(佐賀)に進むことを決意した。

 当初は「全然テニスをやるつもりはなかった」と他競技への挑戦も考えていた。ところが「大学の先生とジャパンオープン(飯塚国際車いすテニス大会)を見に行く機会があって、面識のある選手が試合をしているのを見て、自分もこういうところで戦いたいと思うようになった」と車いすテニスの世界に飛び込んだ。

 経験者とはいえ、車いすに乗りながらテニスをするのは至難の業。「ボールを打つ前に1時間以上、チェアワークの練習とかをしてから練習を始めた」。地道に努力を重ね、2018年アジア大会シングルスで銅メダルを獲得。かねて目標としていた東京大会や4大大会も視界に入ってきた。

 昨年9月には、初の4大大会となる全米オープンに出場。シングルス1回戦で上地結衣(26=三井住友銀行)に敗れたものの、同10月の全仏オープンシングルスで準優勝。決勝で再び上地に敗戦したとはいえ、世界の舞台で好成績を挙げたことで「それまでは東京大会のシングルスで上にいけるイメージがなかったが、今回初めてシングルスでも狙えるんじゃないかなと思うようになった」と手応えをつかんだ。

 自国開催の大一番に向けては「目標は金メダル獲得なので、頑張りたいなと思う。車いすになって迷惑をかけた人や心配してくれた人がたくさんいるので、今は元気にテニスをして頑張っているんだよってことを知ってもらいたい」と気合は十分。恩返しの思いを胸に、表彰台の“テッペン”をつかみ取る。

 ☆おおたに・ももこ 1995年8月24日生まれ。栃木県出身。小学校3年からテニスを始め、作新学院高3年時には、ダブルスで全国高校総体(インターハイ)に出場した。卒業後に病気を発症し、車いす生活となったが、父親の勧めなどもあり、2016年から車いすテニスを本格的にスタートさせた。18年アジア大会シングルスで銅メダルを獲得すると、昨年10月の全仏オープンシングルスで準優勝に輝いた。料理が得意で自ら弁当を作ることも。162・5センチ。

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