1992年バルセロナ五輪競泳女子200メートル平泳ぎ金メダルの岩崎恭子氏が競泳男子の萩野公介(ブリヂストン)にねぎらいの言葉を送った。

 萩野は前回の2016年リオ五輪で400メートル個人メドレーの金を含む三つのメダルを獲得したが、一昨年に原因不明の不調で無期限の休養を強いられるなど、ここ数年は苦しい日々を過ごしていた。

 それでも、7月30日の東京五輪200メートル個人メドレーでは6位入賞。レース後には「言葉が悪いかもしれないけど、金メダルが本当にこれっぽっちのものに感じて…。こんなものよりもたくさん大切なものをみんなからもらっていたなと感じたら、水泳を続けてよかったなと思います」と声を震わせた。リオ五輪とは全く違う結果にはなったが、やり切った表情を見せた。

 岩崎氏は「泳ぎを見て、やはり準決勝が終わった後の涙を見ていると、すごく自分で苦しんだんだろうなと感じた。それこそメダリストとしてのどうあるべきかと言うこととかも考えていたでしょうし、弱さを見せてはいけないんじゃないかみたいなことを思っていたのでは」と指摘した上で「今までは淡々としたインタビューとかが多かったと思うが、やっぱり人間らしさ、萩野公介らしさっていうのが出たんじゃないかな」と目を細めた。

 今後について萩野は「未来の気持ちはまだ誰にも分からない」と語るにとどめたが、新たな歴史をつくってきた。岩崎氏は「やはり金メダルを持っていますし、そこは色あせないと思うので、もちろん胸を張ってほしい」と称賛した。