競泳のジャパンオープン(4日、東京アクアティクスセンター)が開幕し、男子400メートル個人メドレーは、不倫問題による活動停止処分を受けていた東京五輪代表・瀬戸大也(26=TEAM DAIYA)が4分12秒57で制した。

 決勝では「1回も一番を譲ることなく、泳ぎ切りたい」と最初のバタフライから積極的な泳ぎ。前半の200メートルを1分59秒80で折り返した。スタミナ切れで後半は失速したものの、最後の自由形で逃げ切り、復帰初戦を優勝で飾った。

 瀬戸にとって一連の騒動後、初となる公の場。会見では「本当に申し訳ございませんでした」と深々と頭を下げた。謹慎期間中は、妻の馬淵優佳さん(25)や友人と話を重ねる中で自分を一から見つめ直し「いかに自分が恵まれた環境で競技を続けられていたかを身に染みて感じた。そういった環境があったり、応援してくださる方がいたから今の自分がいることを再認識した」と言う。

「金メダルを取りたい」と口にしてきた東京五輪まであと半年。みそぎを済ませ、気持ちも変化したといい「自分の中で五輪の金メダルは子供のころからの夢。その夢を達成したいという気持ちは変わっていない。今回(不倫騒動)の件で、より一層、応援してくださる方々にいい姿を、いい結果を出して恩返しをしたいという気持ちが強くなった。自分の夢も達成したいし、応援してくださる方々に五輪の金メダルを届けたい」と闘志を燃やす。

 感謝の思いを胸に、地獄を味わったスイマーが新たな一歩を踏み出した。