三十路の壁をブチ破れ! 大相撲名古屋場所5日目(14日、愛知県体育館)、若元春(28=荒汐)に寄り切られ4敗目を喫したカド番大関正代(30=時津風)が、恩師から〝激エール〟を送られた。

 負の連鎖を断ち切れなかった。初対戦の28歳に黒星を喫し「自分のほうが腰が引けていたので、押し込めていたら土俵際で余裕があったかもしれない」とため息をついた。前日の初白星で風向きが変わったかに思われたが、現実は甘くはなかった。大関在位11場所目で4度目のカド番を迎えた正代にとって、重すぎる4敗目。熊本農高時代に大関を指導した伊藤辰博氏は「本人はどこかで仕切り直さないといけないと思っているはず。ただ、なかなか切り替えることができないのは、大関という立場ならではの難しさがあるのかもしれませんね」と独特の重圧があるとみる。

 正代は今年で31歳になる。伊藤氏は教え子の年齢に言及し「自分が強いときもあれば、逆に周りの若手が強くなってくるのは必然的なこと」とした上で「その中で勝ち星を挙げていくのは大変ですし〝老い〟を感じることもあると思います。しかし『そんなことはない』と奮起するのも大事」と逆襲に期待を寄せる。角界ではベテランの域に達しつつあるとはいえ、30代でも活躍している力士は少なくない。背水の大関も老け込むのはまだまだ早いというわけだ。

「気持ち一つでいい方向にも悪い方向にも変わることはありますから。あとは本人がどのようにして結果を残していくか楽しみにしています」(伊藤氏)

 陥落のカウントダウンが迫る正代は「一番一番その日にできることをやっていけたらいい」と前を向く。恩師のエールで窮地を脱することができるか。