相撲協会が自主引退を促した貴ノ富士の“悪質すぎる言動”

2019年09月26日 19時13分

理事会に向かう八角理事長

 日本相撲協会は26日、定例の理事会を開催し、8月に付け人の序二段力士に暴力を振るった千賀ノ浦部屋の十両貴ノ富士(22)に対し、予想されていた引退勧告の処分ではなく、自主引退を促すことを決議した。また双子の弟の幕内貴源治(22)に対しても、部屋の新弟子たちへの悪質な行動があったとしてけん責処分を下した。

 貴ノ富士は「貴公俊」のしこ名だった昨年3月の春場所中にも付け人だった序二段力士を何度も殴ったとして、同場所9日目から謹慎休場。翌5月の夏場所は出場停止処分を受けた。今回は1年余りでの“再犯”。コンプライアンス委員会は被害者からなどの聞き取り調査を進め、貴ノ富士だけではなく、貴源治、師匠の千賀ノ浦親方(58=元小結隆三杉)にも調査内容の確認を行った。

 調査内容からの答申書によると、貴ノ富士は今年5月から7月にかけて、失敗を繰り返す新弟子4人に対し「障がい者」などと呼び、物覚えの悪い一人には「ニワトリ」とあだ名をつけるなど、悪質な言動を取っていた。さらに8月31日の稽古総見後、自分より先に風呂に入った付け人の行動に立腹し、右拳で1回殴打したという。

 貴源治は同時期、同じ新弟子4人の振る舞いが悪かったことに罰を与え、7月場所中にはその中の一人に「自分は頭悪いです」と言わせ、スマートフォンで録画する動作をしていた。

 理事会はこの日、3人を呼び出し、処分内容を通達。芝田山広報部長(56=元横綱大乃国)によると、自主引退を促された貴ノ富士は「考えます」と答えたという。貴ノ富士側は前日の25日、すでに千賀ノ浦親方やコンプライアンス委から引退勧告を受けていたことを明かした上で、適切な措置を望む上申書をスポーツ庁に提出。協会側にも寛大な処分を求めていたが、その意見は聞き入れられない形となった。

 芝田山広報部長は「理事会では引退やむなしという意見だった。だが、まだ22歳と若く、今後の人生も長い。自主引退を促すというのは理事会の恩情とも言える。あとは本人がどう判断するか」と話した。今後、貴ノ富士が自主引退に応じず、引退勧告処分にも応じない可能性は高い。協会の規程では懲戒解雇となる。