【ラグビーW杯】日本5日サモア戦ヒゲで勝つ! 実は強化策の一環

2019年10月05日 11時00分

濃いヒゲがトレードマークのリーチ主将(ロイター)

 ラガーマンは見た目も大事――。ラグビーW杯1次リーグA組で2連勝した日本代表は、悲願の8強入りへ向けて第3戦サモア戦(5日、豊田)に臨む。アイルランド戦(9月28日)での大金星で一気に波に乗った感がある一方、目を引くのは選手たちにやけにヒゲ面が多いこと。実はこれ、ラグビー界ではスクラムやキックなどのトレーニングと同じ強化策の一環だという。いったい、どういうことなのか? 日本フィフティーンが進める“ワイルド化”を紹介する。

 ここまで2連勝。前回の2015年イングランド大会では優勝候補の南アフリカに勝利して3勝を挙げながらも、1次リーグで敗退した。その後の4年間にわたる徹底強化が奏功して、今大会では快進撃を続けている。

 日本がプレーとともに“強化”してきたのが、ビジュアル面だ。もともとラグビー選手と「見た目」は切っても切れない関係にある。トップリーグや大学チームのFW第1列選手には「お前は見た目が優しいから、ヒゲを伸ばせ!」と本気の指導が入るほど。ラグビー界では、相手選手を威圧するためヒゲをたくわえて強そうな風貌に見せることが重要な要素とされており、日本代表も例外ではない。

 今大会のメンバーもフランカーのリーチ・マイケル主将(30=東芝)を筆頭にヒゲ面揃いだ。童顔のSH田中史朗(34=キヤノン)は、23歳のときに小学生と間違われたことをきっかけにヒゲを伸ばしたとか。FB山中亮平(31=神戸製鋼)はヒゲを濃くするために使用した育毛剤に入っていた禁止薬物成分でドーピング検査に引っかかり、2年間資格停止処分をくらった苦い過去がある。

 元日本代表プロップの畠山健介(34)もこう指摘していた。「確かにラグビー選手のヒゲ率はかなり高いですね。(手であごをなでながら)僕もそうですが、精神的な面もあって、相手に対して自分を強く見せたいということ。日本人は幼く見えるのでヒゲを生やしている選手は多いかもしれない」

 また、相手を威圧するのはヒゲだけではない。フッカー堀江翔太(33=パナソニック)は前回大会後、ヒゲに加えて奇抜な「ドレッドヘア」に変身。プロップの中島イシレリ(30=神戸製鋼)が初戦ロシア戦(9月20日)の直前にヒゲと頭髪を金色に染め上げたのも、見た目で相手に圧力を感じさせたいという気持ちの表れだったようだ。

 一方、他競技では選手のヒゲに関して“自粛”を求める傾向もある。サッカー日本代表は、スポーツが持つさわやかなイメージを損なわないように「禁止にはしていないが、あまりよろしくない」とされる。プロ野球の巨人では紳士の球団として原則「禁止」なのは有名な話だ。

 それでも、かつてサッカー日本代表GK川口能活氏(44)が髪形をオールバックにしたのは、相手に少しでも脅威を与えるためだった。実際、ヒゲを生やしたり、髪形をワイルドに変えることにどこまで“威圧効果”があるかは不明だが、「相手に対して強く見せている自分がいる」という自己暗示的な作用があることは確かだろう。

 もちろん日々の鍛錬の積み重ねが勝利への近道であるのは間違いない。ただ、さらに勝率を高めるためには「見た目」が占める割合も決して小さくないということ。サモア戦、さらにその先の戦いに向けてもポイントの一つになっていきそうだ。