「スマイルシンデレラ」争奪戦が過熱!渋野日向子 迫られる“重大決断”

2019年08月08日 11時00分

「ひまわり(向日葵)のように明るく育ってほしい」との願いを込めて「日向子」と名付けられた渋野は、帰国会見でもひまわりとともに笑顔満開

 女子ゴルフの今季メジャー最終戦「AIG全英女子オープン」(英ミルトンキーンズ・ウォーバーンGC)を海外初挑戦で制した渋野日向子(20=RSK山陽放送)が6日午後、大フィーバー真っただ中の日本に帰ってきた。到着した羽田空港には多くの報道陣や出迎えの関係者、ファンに交じって、マネジメント会社の関係者の姿もちらほら。本人が望むと望まざるとにかかわらず、周囲の「スマイルシンデレラ」争奪戦は過熱しており、今後は重要な“決断”を迫られそうだ。

 午後3時ごろ、渋野は黒のTシャツ姿にキャップといういでたちで到着ロビーに姿を見せた。ゴルフウエアに着替えて臨んだ空港内での会見には54社、141人の報道陣が集まり、テレビカメラは26台。異例ともいえるメディアの数は日本人女子42年ぶりのメジャー制覇の快挙に加え、渋野の笑顔やそのキャラクターに世間の関心が集まっている証しでもある。

 会見では「向こう(英国)に着いたときから帰りたいと思っていたので、やっと帰れてうれしいです」と序盤から“シブコ節”が炸裂。メジャーで学んだことを問われると「学びに行ったはずなんですけど、優勝しちゃったんで(笑い)。何を学んだんですかね。分かりません」と珍回答で笑いを誘った。

 その一方で「ジュニアの手本になりたい」という思いを熱弁。ラウンド中に子供たちにサインをしたり、手袋をプレゼントしたのも、そんな思いからだったという。

 さらに地元・岡山にも大きな被害をもたらした昨年7月の豪雨災害を「忘れたことはありません」。渋野にとっては2度目の挑戦となった最終プロテスト直前の出来事。「何の手伝いもできず、このままプロテストに行っていいのかという気持ちもあったけど、被害に遭った方が頑張ってくれと言ってくださった。元気づけるには結果を出していかないといけないと思ってます」。笑顔の裏にある秘めた決意も明かした。

 来年の東京五輪に向けても「出られるか分からないが、自国開催なので金メダルを取りたいなと思う」ときっぱり。ますます人気に拍車がかかりそうなニューヒロインだが、現在マネジメント会社はついておらず、所属先のRSK山陽放送の担当者が事実上のマネジャーとして、各大会に同行している。渋野と接触できるかも分からないまま、羽田空港に足を運んだマネジメント会社の関係者は「女子ゴルフ界では(宮里)藍ちゃん以来のスーパースター。どこの社だって自分たちでマネジメントをしたいと思っていますよ」。2017年に引退した宮里藍(34)の「後継者」として、大争奪戦が早々と始まっている。

 渋野はすでに超多忙。優勝の翌日夜に日本行きの便に搭乗したが、それまでに現地で新聞、雑誌、テレビと取材に追われて、大会を中継したテレビ朝日系の情報番組「報道ステーション」の生出演もこなした。6日の帰国後は、羽田空港で会見、場所を移し都内の日本記者クラブで優勝会見。7日に北海道に入り、9日開幕の「北海道meijiカップ」(札幌国際CC)、来週には16日開幕の「NEC軽井沢72」(長野・軽井沢72)に出場し、翌週がようやくのオフ。そこから岡山に凱旋帰郷となり祝勝会、取材の依頼などが殺到するとみられるが、父・悟さんは「すべてシャットアウト」と娘を休ませるつもりだ。

 こうした異様な状況でマネジメント会社からは引く手あまたの中、今後も家族と所属のRSK山陽放送で支えるのか、それともマネジメント会社にある程度は任せていくのか。“ポスト藍”として、大きな期待と責任を背負っていくだけに、渋野にとって重要な判断となりそうだ。

【CM出演オファーにも問題が…】人気爆発中の渋野にはCM出演のオファーも殺到することが予想される。むしろ、数多くのCM出演依頼が舞い込むと見込まれるからこそ、マネジメント会社が争奪戦を繰り広げているわけだ。

 かつて藍は所属先のサントリーなど大企業のCMに多数出演したが、これは女子ゴルファーとしては異例のこと。最近では原英莉花(20)が所属先の日本通運のCMに出演しているものの、その他のプロが出演する多くはボール、クラブなどゴルフ業界のCMだ。

 会見で最終日に着用したウエアが売り切れとなったことについて聞かれた渋野は「ネットニュースで見ました。ビームスゴルフさんには5月に契約していただいて、売り上げに貢献したいと思っていたのでうれしいです」とスポンサーを喜ばせる“孝行娘”ぶりも発揮した。その一方で「これからも変わらず、私らしく自由にやっていきたい」とも話す。多数のスポンサーとの契約に縛られる生活を望んでいるのかは微妙だろう。

 実現の可能性は別にして、渋野効果で駄菓子「タラタラしてんじゃね~よ」が人気となったことで、ネット上ではメーカーのよっちゃん食品工業はスポンサー契約を結ぶべきという声が上がっている。とはいえ、契約を結べば同業他社の製品を手にするのはご法度。少なくとも公の場では他社のお菓子は食べられない。ラウンド中のお菓子が「リラックスにつながっている」という渋野にとってはストレスにもなりかねず、こちらの判断も重要になりそうだが…。

 プロテスト合格から1年で海外メジャー制覇という現実離れしたシンデレラストーリーを歩む渋野が、CM業界でも藍のようなスターとなる日は来るのだろうか?