ついに決断へ――。フィギュアスケート男子で五輪2連覇の羽生結弦(27=ANA)が、第一線を退く意向であることが19日、分かった。関係者の話を総合すると、今後は競技会には出場しない意向を固めたという。引き続き、プロとしてアイスショーの舞台で華麗な演技を披露する。羽生の所属事務所が19日午後5時に記者会見を開くと前日に発表すると、世界各国が大騒ぎ。フィギュア界での存在感の大きさが改めて浮き彫りとなっている。


 唯一無二のスケーターとして、周囲の想像を上回る演技で世界を驚かせてきた羽生が、新たなステージに立つ。関係者の話を総合すると、第一線を退き、今後は競技会に出場しないことを決意したという。

 2014年ソチ五輪でアジア男子初の金メダルを獲得。18年平昌五輪では66年ぶりの2連覇を達成し、個人最年少の23歳で国民栄誉賞を受賞した。世界選手権も14年、17年に優勝。グランプリ(GP)ファイナルは13~16年に4連覇を果たした。20年には4大陸選手権も制し、男子で唯一スーパースラム(主要国際大会6冠)を成し遂げるなど、フィギュア界の歴史に新たなページを刻み続けてきた。

 平昌五輪後は「唯一のモチベーション」と公言してきたクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)の習得に取り組み、2月の北京五輪は足首の状態が万全ではない中で果敢に挑戦。成功こそならなかったが「自分の中で最高のアクセルができたと思っている」と語った上で「羽生結弦が大好きなフィギュアスケートを大切にしながら極めていきたい」と今後の展望を口にしていた。

 一方で、同五輪のエキシビション後には「(競技かアイスショーか)フィールドは問わない」と発言。3月の世界選手権は欠場したものの、オフシーズンにはアイスショー「ファンタジー・オン・アイス」の4都市12公演で元気な姿を披露した。ただ、進退についての明言はなく、1日に日本スケート連盟のホームページを通じ「今シーズンもより高みを目指して頑張ります」とコメントしていた。

 こうした中で、所属事務所は19日に会見を開くことを前日18日に発表すると、世界各国は敏感に反応。フィギュア大国で知られるロシアの「スポーツ・エクスプレス」が「2度のオリンピックチャンピオンである羽生は7月19日に記者会見を開く」と速報したのをはじめ、絶大な羽生人気を誇る中国でも「新浪体育」が「羽生結弦は19日に記者会見を開く。引退するかどうかを発表」と報じた。

 また欧州のスポーツ専門局「ユーロスポーツ」は「2度世界王者に輝いた羽生結弦が記者会見 引退の憶測を呼ぶ」と報道。フィギュアが盛んではない南米ブラジルでも、約1万人が加入する羽生情報ツイッターアカウントが記者会見について速報。会見についてファンが緊急討論会を開くなど、関心の高さをうかがわせた。

 去就を語る前の段階から世界の注目を集める羽生。やはり、存在感は別格のようだ。