ロシア・フィギュアスケート界の重鎮で名指導者のタチアナ・タラソワ氏(75)が、スポーツ界のロシア除外により、国籍変更を選択する選手を擁護。措置を決めた国際スケート連盟(ISU)こそが元凶と糾弾した。

 タラソワ氏はロシア「スポーツ24」に対し、ロシアが国際大会に出場できないスポーツ界について言及。「単純に理解できない。スポーツは政治と無関係なはずなのに、なぜ出場停止になったのか。私たちは何をしたのでしょうか?」と疑問を投げかけた。

 長年、激動のフィギュア界で活躍してきたタラソワ氏は今後、多くの選手が国籍を変更すると予測。「(除外の)問題が解決しなければ、おそらく私たちのスケーターはどんどん離れていく。五輪などの国際大会を控える選手たちは、居住地変更も考えなければならないだろう。競技人生は非常に短く、多くの若者が再び大会に参加できるとは限らない。コーチと一緒になって、何がベストなのかを決めていく必要がある」と、〝仕方がない〟との見方を示した。

「それは裏切りではないのか?」と問われると、タラソワ氏は「裏切りではない。ISUの犯罪者は、選手の命を奪っているのです。私たちのせいではなく、ISUのせい。彼らこそ、裏切り者。だから国籍を変更しても、裏切りとは言えないと思う。私は、決断をした選手たちを絶対に非難しない」と強い口調で語った。

 ロシアスポーツ界は、激変の一途をたどりそうだ。