やはり強かった。陸上の世界選手権(7月、米オレゴン州)代表選考会を兼ねた日本選手権2日目(大阪・長居)、男子100メートル決勝はサニブラウン・ハキーム(タンブルウィードTC)が10秒08で3年ぶり3度目の優勝を果たし、世界選手権代表に内定した。

 スタートで出遅れたものの、持ち味の爆発力を生かし、終盤で先頭に立つとそのまま1着でフィニッシュ。レース後はやや納得いかない表情も見受けられたが、王座奪還に成功。記録は平凡だっただけに「勝ったのはいいけど、1か月後の世界選手権へもっと仕上げて切り替えていきたい」とコメントした。

 昨年はヘルニアの症状に悩まされたが、既に改善しており、体は万全の状態。これまで週6日だった練習を2日おきにオフを入れ、ウエートトレーニングを見直すなど強化方法を工夫してきた。その一方、サニブラウンのチームメートが「これをやっていたら負ける気がしない」と自信を口にするほど厳しい環境で心身ともに鍛え上げた。

 前日の準決勝で参加標準記録は突破している。あとは世界選手権で本領発揮するだけだ。