開幕目前の東京五輪で新型コロナウイルス感染拡大の懸念から各都市で次々と無観客開催が決まる中、宮城と静岡による有観客維持の方針に非難が殺到している。

 新型コロナ禍が深刻化している1都3県に加えて札幌、福島で無観客開催が決定。しかし宮城と静岡は有観客開催で一般客を迎える方針を貫いている(茨城は児童・生徒を招待する学校連携観戦のみ)。

 宮城では多くの集客が見込める男女サッカーを実施予定で、1試合1万人までの人数制限となっても計6万人ほどの観客の来場が見込まれる。静岡は自転車競技などが行われ、この2都市を合わせると11万人以上が会場に足を運ぶ可能性がある。特に宮城では観光地のほか歓楽街の国分町もあり、3月には東日本大震災が起きた「3・11」に関連して同県内への人の流入が増加して感染者が急増した苦い経験があり、今度は五輪をきっかけにして再び人流が増大し、感染者が最拡大する恐れが指摘されている。

 専門家からも全都市での無観客開催が推奨される中、いまだに有観客開催を維持しようとする宮城と静岡に対しては国民から批判が殺到している。

 ネット上では「宮城、静岡での有観客は、全国から人を集めることになります。チケットを持たずとも会場に行けば五輪の雰囲気は味わえる。そんな考えの人が集中することは誰でもわかります。会場の観客数だけが集まるわけではないです!」「感染イベント開催か。これ以上県民にどれだけ自粛させるのかな? 人流動けば感染率上がるやん。給付金出すなら大人しく自宅に居ますわ」などと有観客開催への不安や怒りの声が続々と上がっている。

 中でも「五輪関係者よりも、感染者が多い東京圏からの観客に無症状感染者か紛れ込む心配は無視できないと思うが?」と感染状況が深刻化する東京からの県をまたいだ移動を不安視する声が多い。国民から非難が渦巻く中、宮城と静岡はこのまま有観客開催を強行するのだろうか。