東京五輪の開幕まで2か月を切る中、各国でアスリートへのワクチン接種の流れが出来上がっている。南アフリカとイギリスの両オリンピック委員会(NOC)は、国際オリンピック委員会(IOC)が提供するファイザー社製のワクチンを代表選手に接種することを発表。ともに選手全員が対象となっており、一般市民の接種プログラムを混乱させることはないという。

 アスリートへのワクチン選手はIOCが主導してきた。トーマス・バッハ会長(67)は昨年秋の来日時から「ワクチン接種は義務ではないが奨励する」と話しており、今月に入ってIOCは各国・地域の選手団に米製薬会社大手ファイザー製ワクチンを提供することを発表。しかし、日本の選手団からは「国民の方々を優先してほしい」と戸惑いの声も上がっており、高齢者より先に接種することに抵抗する選手もいる。

 南アフリカ、イギリスのNOCは共に「国民の接種に負担をかけることはない」という大原則を掲げている。日本の競技団体からは「これから慎重に検討する」との声が相次いでいるが、果たしてどうなるか。