五輪中止・延期でチケットどうなる 払い戻し不可なら集団訴訟も

2020年03月19日 16時40分

「中止」「延期」なら五輪チケットはどうなる?

 新型コロナウイルス感染拡大で「中止」や「延期」がささやかれる東京五輪で、チケットの払い戻しは可能なのか。一部メディアが「中止なら払い戻し不可」と報じ、大会組織委員会が対応に追われた。武藤敏郎事務総長(76)は「(五輪の)中止、延期を想定しておりません」と前置きし「現実にそういうことが起こった時は規約を踏まえて適切な判断をしていく」と明言を避けたが、法曹界の見解は「払い戻し可能」が優勢だ。

 同記事では規約第46条の「不可抗力による場合には、当法人はその不履行について責任を負いません」を裏付けとしている。これについてライブイベントの法律に詳しい福井健策弁護士(54)は「契約でよくある表現ですが、不可抗力が意味する内容は観客に損害が生じても賠償責任は負わないということ。チケットの払い戻しとは別次元の話では」と話す。民法の大原則として「観客はチケット代金の支払いを拒め、また契約解除ができる」と解説。その上で「大原則をひっくり返すような明確な記述ではない」と指摘する。

 さらに「延期」の場合も“救済措置”はある。規約の第37、38条を要約すると、当日中に競技が行われなかった場合(延期)は「チケットの振り替え」または「払い戻し」をすることになる。つまり、仮に1年延期した場合は払い戻さない代わりに2021年大会で観戦する権利を与え、そうでない場合は払い戻されなければならない。福井弁護士は「規約を読む限りチケットが紙くずになったら払い戻し。そうでないと五輪への信用にかかわる。今、全国の小規模な主催者は歯を食いしばって借金を承知で払い戻している。法的なこともあるが、何より大事なのは観客との信頼です」と語る。

 最終判断が注目されるが、最悪の場合は集団訴訟に発展するケースもあり得そうだ。