【英国・バーミンガム15日発】今年で110回目を迎えたバドミントンの全英オープンの最終日、女子ダブルス決勝で世界ランキング3位の“フクヒロペア”こと福島由紀(26)、広田彩花(25=ともにアメリカンベイプ岐阜)組が同6位の杜げつ(22)&李茵暉(23=ともに中国)組を2―0(21―13、21―15)で下し、悲願の初優勝を飾った。

 決戦前に福島が「決勝の舞台を楽しみたい」と語っていたように、フクヒロは開始直後から息の合ったコンビネーションを披露。第1ゲームは前半で6連続ポイントを奪うなど中国ペアを圧倒した。後半に入っても試合を優位に運び、前半の貯金を生かして第1ゲームを奪った。

 第2ゲームは序盤で中国ペアに押されたが、5連続ポイントなどで追いついて前半を11―10で折り返した。後半は再びペースを握る。気持ちを前面に出す福島はポイント奪取のたびにガッツポーズ。最後は福島が渾身のスマッシュを決めて、見事に初の栄冠を手にした。

 勝利の瞬間、福島はうずくまって歓喜に浸った。広田とガッチリと握手して喜びを分かち合い、観客の声援に笑顔で応えた。

 試合後、広田は「この大会に気持ちを入れてきたので本当にうれしい」と喜びを口にし、福島は「いろいろな状況の中でこの110回目の全英オープンが開催されて、ここで試合できてすごくうれしいです」と、新型コロナウイルス感染拡大で暗いムードが漂う中でのビッグタイトルを素直に喜んだ。

 国内の女子ダブルスは実力が拮抗する大激戦。世界バドミントン連盟(BWF)は新型コロナの影響を受け、今大会後の16日から4月12日までのワールドツアー中断を発表したが、フクヒロペアは永原和可那(24)、松本麻佑(24=ともに北都銀行)組のナガマツペアとともに東京五輪出場2枠をほぼ手中に収めている。