スマホ盗撮依存症は誰でも陥る危険性 教師、警官に続き市職員も御用

2018年04月19日 17時00分

女性への盗撮はなくならない?(写真はイメージ)

 JR横須賀線の列車内で女子高生(16)のスカートの中をスマホで盗撮しようとしたとして、県迷惑行為防止条例違反の疑いで、鎌倉市役所課長補佐の佐藤俊介容疑者(48)が17日、神奈川県警鎌倉署に逮捕された。佐藤容疑者は盗撮の常習犯だったとみられる。精神科医によると、現代はスマホの発達などにより、誰でもスマホ盗撮依存症になる可能性があるというから要注意だ。

 佐藤容疑者は17日午前8時5分ごろ、横須賀線逗子―鎌倉間を走行中の電車内で、女子生徒のスカート内にスマートフォンを差し向けた疑い。それを目撃した警察官によって逮捕された。

 佐藤容疑者は「これまでも何度かやった」と供述。横須賀線では、不審な男が盗撮を繰り返している姿がたびたび目撃されており、車内で警察官が警戒にあたっていた。

 スマホでの盗撮は、実は誰でも常習化する危険性がある。おいしいものを食べたり酒を飲んだり、あるいは違法薬物を使用した際に脳内で分泌される、ドーパミンという快楽物質が関係しているという。

 性依存症の患者の治療や、ブログ「プラセボのレシピ」で情報発信を行う依存症専門医・山下悠毅氏は「スマホ盗撮は一度でも成功すると“盗撮によって脳内でドーパミンが出る体質”となり、その行為が止まらなくなる」という。

 また「容疑者には結果じゃなく過程が大事。ドーパミンは『のるかそるか』のような、ギャンブル性のある状況でも出るからです。私が診てきた盗撮犯の6割は、撮った画像で性の処理をせず、足がつくのを恐れて写真や動画を削除している。つまり盗撮とはスリル依存症なのです」と説明する。

「ドーパミンには、繰り返す過程で出にくくなる性質がある。薬物依存症患者の投薬量が増加するのは有名で、盗撮犯はよりスリルやリスクのある状況へ自分を追い込まないと、快楽物質が出なくなってしまう」(山下氏)

 釣りを例にすると分かりやすい。

「最初は小さな魚で満足しても、次第にもっと大物を狙うようになる。釣りで大切なのは魚ではなく、魚を釣る過程。釣り人に魚屋で売っている魚を渡しても、釣りに出かけるのをやめる人はいませんよね」(山下氏)

 スマホ盗撮犯は過去に何度も盗撮を行い、検挙されるケースが多い。それもトイレなど女性の下半身が露出されやすい場所ではなく、駅や商業施設の中で、だ。

 大阪・堺市立小学校の男性教諭(29=当時)は2月26日、駅のエスカレーターで女性のスカート内を盗撮しようとした容疑で、府の迷惑防止条例違反容疑で書類送検となった。男性教諭は他にも複数回の盗撮行為を認めている。

 千葉・君津署の前生活安全課長の男性警部(45=当時)は、木更津市の店で、短パン姿の30代女性の尻をスマホで盗撮。県の迷惑防止条例違反容疑で昨夏、書類送検された。スマホには数千枚の他の女性の写真が記録され、下着が写り込んでいる物もあった。警部は「ストレスが軽減できた」と供述したという。

 市職員に小学校教諭、警察官と、順法意識が高いはずの職業に就いていながらの盗撮とは驚きだが、山下氏は「誰でもスマホ盗撮の依存症に陥ってしまう可能性がある」と警鐘を鳴らす。

「興味本位からの盗撮が成功すれば、パチスロのビギナーズラックと同様に、どっぷりハマる。それが最後、それは病気であり、本人の意思とは無関係になる。やめるのは困難で、これは社会が作り出した病気です」

 スマホの普及により、盗撮の敷居が低くなった現代では、アナタもスマホ盗撮依存症になってしまうかもしれない。