中国での阿波踊りバッシングの矛盾と誤解

2022年08月06日 11時30分

中国の習近平国家主席(ロイター)
中国の習近平国家主席(ロイター)

 徳島市の名物である阿波踊りが今年の8月12~15日、3年ぶりに規模を縮小せずに本格開催されることが決まった。阿波踊りだけでなく、よさこい祭り、ねぶた祭り、エイサー祭りなど、日本のさまざまな祭りが世界に広まっているが、中国では日本の祭りの追放が行われているという。

 ユーチューブチャンネル「地球ジャーナル ゆあチャン」で日中の情報を発信している中国人ジャーナリストの周来友氏はこう語る。

「今、中国のネット上では“文化的侵略”という言葉が頻繁に出てきます。これは中国南京市の寺に、日本の戦犯の位牌が奉納されていたことが先日、中国内で大々的に報じられたことに端を発しています。中国では今回の事件をきっかけに、中国に残る日本の文化に対しても中国から駆逐するべきという世論が高まっているのです」

 そのため、中国各地で予定されていた日本文化を取り入れた夏祭りが次々と中止となっている。特に非難の対象となっているのが阿波踊りだ。

 中国メディア「中国網易新聞」は先日、江蘇省で行われた子供向けのイベントで、阿波踊りを練習する子供たちの写真がネット上に拡散されていることを報じた。ネット上では「阿波踊りは南京事件の後、日本軍がお祝いのために踊っていたもので、中国人としてこうした踊りをすることに怒りを感じる」というコメントが多く寄せられているという。

 一方、一部のネットユーザーからは「多くの中国人が日本製の車に乗って日本製のカメラを持って、日本食を食べたりしているけど、これを批判する人はこういう事実にどう向き合うの?」「こんなことにまで文句言うやつは、どうせ家では日本の漫画やアニメ見てるんじゃないの?」など、矛盾を指摘する声もあるようだ。周氏は「中国の多くのネットユーザーが指摘する南京事件の際の阿波踊りについては、2009年に公開された映画『南京!南京!』で、日本軍人が阿波踊りらしき踊りを披露するシーンがあったことから誤解が生まれたものと思われます。歴史問題を理由に、文化そのものの存在まで否定して、いったい何になるというのでしょうか」と指摘している。

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