JR東日本は21日、宮城県と福島県で最大震度6強を観測した地震で一部区間が不通になっている東北新幹線について、4月20日前後に全線での運転再開を目指すと発表した。

 同社によると、16日の地震で不通となった那須塩原―盛岡間のうち、那須塩原―郡山間と一関―盛岡間は22日に運転を再開。郡山―福島間は4月2日ごろ、仙台―一関間は同4日ごろの運転再開を計画している。

 地震では宮城県の白石蔵王駅近くで「やまびこ223号」が脱線。乗客3人から負傷したとの申告があった。捻挫や打撲などでいずれも入院はしていない。脱線のほか高架橋や電柱の損傷、レールのゆがみなどこれまでに計約1000か所を確認した。

 橋脚が激しくひび割れるなど甚大な被害が出たが、約1か月での復旧見込みに鉄道関係者は「交通の大動脈であるのはもちろんですが、新幹線は利益率がいい。お金をかけてでも早く直す意味がある」と明かす。

 一方、今回脱線した車両について、鉄道ファンから心配の声が上がっている。

 東北新幹線「はやぶさ」などで使用される緑色の新幹線には、JR東日本のE5系とJR北海道のH5系があり、ロゴや車体中央のラインの色に少しの違いがある。E5系が46編成あるのに対し、H5系は4編成しかなくレアな存在になっている。

 今回、脱線した車両はH5系新幹線10両とJR東日本のE6系新幹線7両の17両編成だったことから、鉄道ファンから「よりによってH5系とは」「こりゃ廃車だろうなぁ」といった声が上がっているのだ。

 車両は全17両中16両が脱線。1両ずつ切り離しレールに乗せて撤去しているが、関係者は「あれだけの速度で走るものだし、検査で台車や車両のゆがみが見つかれば廃車になるのでは。2016年の熊本地震で脱線した800系も廃車になっている」と指摘する。

 幸いなことに、あれだけの揺れにも転覆することなく負傷者3人で済んだが、今後も雄姿が見られるのだろうか。