【武田修宏Take  it  easy】スペイン1部ヘタフェのU―24日本代表MF久保建英(19)は、残留争いに巻き込まれている状況での大一番だった25日のウエスカ戦で使われなかった。それが現在の評価を物語っているよ。

 もちろんパスやトラップの技術などは素晴らしく、攻撃的センスも抜群なのは誰もが認めるところだけど、サッカーはそれだけじゃない。体のぶつかり合いやボールを持たないところのハードワーク、戦う姿勢を前面に出していくところだったりをもっと突き詰めていく必要がある。そのあたりが守備面に難ありとの指摘にもつながっているんじゃないかな。

 それに試合に出ていないと試合勘が落ちてしまう。実際、今季リーグ戦ノーゴールとも無関係ではないだろうし、さっき言った技術プラスアルファのところも物足りなくなってくる。まさに悪循環。例えば今の状態だったらJ1川崎でもスタメンは難しいと思うよ。前線3枚の右にMF家長昭博(34)、左にMF三笘薫(23)がいるからね。

 ただ、弱点を克服するため、やみくもにフィジカルを鍛え上げるのもよくない。試合数をこなしていく中で培われる部分もある。今季はもう仕方がないけど、ある程度レベルを下げてでもシーズン30試合以上は出られるチームに移籍した方がいい。それで世界中に数多くいる〝うまい選手〟というだけの評価から脱却してもらいたい。

 今振り返れば、僕は決してうまくはなかったけど、ゴールを決めることや戦う部分でやっていた選手だったかもしれないね。(元日本代表FW)