J1川崎が、今オフも主力の大量流出危機に見舞われそうだ。3日に行われた浦和戦(等々力)で1―1と引き分け、2位の横浜Mが敗れたため2連覇が決定。今季ここまでの34試合でわずか1敗でリーグ最多の71得点、同最少の22失点と絶対的な強さを見せて直近5年間で4度目の王座に就いた。ただ、このまま川崎の天下が続くかは選手の引き留めにかかっている。

 今季はシーズン途中にMF田中碧(デュッセルドルフ)とMF三笘薫(サンジロワーズ)が欧州へ移籍。鬼木達監督は「結果が出なければ、必ず誰々が抜けたとか話題になる。結果を出すために人をどうやって育てていくか。焦ってはなかなか育っていかないので、そこのせめぎ合いを意識しながらマネジメントした」と苦心しながらチームをまとめ上げたが、オフには再び危機に直面しそう。

 ある代理人は「川崎には優秀な選手が揃っている。実績を挙げた選手は当然狙われるから、どれだけチーム力を維持できるか」と指摘する。エースとして大車輪の活躍を見せたFWレアンドロダミアンは、ブラジルメディア「グローボ」が母国や米国、アラブ首長国連邦(UAE)からオファーが届いていると報道されている。

 さらに、今夏の東京五輪で活躍したMF旗手怜央や、今季6得点とブレークしたFW遠野大弥には欧州クラブが熱視線。不動のレギュラーのDFジェジエウ、日本代表クラスのDF山根視来やDF谷口彰悟には中東クラブなどが注目しており、今オフには世界中から川崎に触手が伸びる。

 黄金時代の到来か、はたまた低迷危機か。川崎の将来は紙一重と言えそうだ。