J1FC東京がクラブ史上初の大失態だ。

 9日に行われた天皇杯2回戦(味フィ西)で延長戦の末に順天堂大に1―2とまさかの敗戦。リードした終盤にFWディエゴ・オリベイラら主力を投入して逃げ切りを図ったが、後半43分に同点を許して延長に突入。延長前半終了間際にPKでついに勝ち越され、そのまま大金星を献上する屈辱にまみれた。FC東京は大学生相手の敗戦がクラブ創設以来初。前代未聞の赤っ恥となった。

 まさかの大波乱の背景には、盟友による“下剋上”がある。

 順大を率いるのは元日本代表の堀池巧監督(55)で、FC東京の長谷川健太監督(55)、清水などを率いた大榎克己氏(56)とともに清水東高時代の同級生で“三羽烏”として注目を集めた。

 そうした中で、堀池監督はただ一人Jクラブを指揮した経験がない。清水東高で3人の先輩にあたる日本サッカー協会の反町康治技術委員長(57)は9日の技術委員会後のオンライン取材で「克己と健太は何試合かやっているけど、巧はプロチームを率いることはなくて公式戦でやる機会がなかった」と語ったが、堀池監督の執念が呼び寄せた大金星と言えそうだ。

 堀池監督率いる順大が今大会で台風の目となるか。