新日本プロレス26日大阪大会で「NEW JAPAN CUP」準決勝が行われ、内藤哲也(39)がIWGP世界ヘビー級王者オカダ・カズチカを破り、決勝戦(27日、大阪城)に進出した。

 今年2月札幌大会でオカダに敗れてIWGP世界王座取りに失敗した内藤にとって、わずか約1か月後に訪れた雪辱のチャンス。内藤は首と左ヒザに狙いを定めた攻撃を展開したが、オカダも一歩も譲らない一進一退の攻防が続く。

 コリエンド式デスティーノで攻勢に出た内藤は、グロリアから伝家の宝刀スターダストプレスを放つ。だが、これを回避されると形勢逆転を許し、ジャーマンスープレックス、ドロップキックを浴びて窮地に陥る。

 それでも内藤は決定打は許さない。互いにレインメーカーとデスティーノだけは決めさせない高度な切り返し合いから、ジャックナイフ式エビ固めで丸め込む。これはキックアウトされたものの、オカダにエビ固めで押しつぶされても3カウントは許さない。またしてもレインメーカーに来たところを回避し、電光石火のポルボ・デ・エストレージャで丸め込み、接戦をものにした。

 決勝戦ではこの日のセミで鷹木信悟を破ったザック・セイバーJr.と激突する。試合後のリングに呼び込んだ内藤だったがザックはこれに応じず、口頭で決勝戦での健闘を誓い合った。ザックには昨年9月のG1公式戦(大阪)で敗れ、以降の公式戦を欠場するキッカケとなった因縁がある。「その時の借りを返し、明日俺がNJCを優勝するその姿を! 皆さま楽しみにお待ちください。つまり、明日の大阪城大会まで、トランキーロ! あっせんなよ」と豪語。最後は「ロス・インゴベルナブレス・デ、ハ、ポン!」の大絶叫で大会を締めくくった。

 バックステージでは「優勝したらどうしよっかな~。何をお願いしてみようかな~? なんだと思います?」と不敵な笑みを浮かべつつアナウンサーに逆取材。テレビ朝日・大西洋平アナが回答を間違えると「最近、取材が甘いんじゃないの? その答えはもちろん、トランキーロ、あっせんなよ」と、相変わらず人を食った態度でけむに巻いていた。相手がイラっとすることだけを的確に、天才的に突いていく。それが内藤という男だ。