新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、3月15日までの11大会中止を決定した新日本プロレスのIWGPヘビー級&インターコンチネンタル2冠王者の内藤哲也(37)が、大会中止で消滅したIWGPジュニアヘビー級王者・高橋ヒロム(30)との師弟対決の“早期実現”を約束した。

 内藤は27日に沖縄から帰京した後、本紙を東京・大田区総合体育館前に緊急招集した。「今回に関しては仕方のないことなのかな…と。非常に残念ですよ、選手として。でも一番がっかりしているのはチケットを買って楽しみにしてくれていたお客さま。今の我々にできるのは、この試合のない期間をいかに有効に使い、新日本が再開した時にどう盛り上げるかを考えること」と新日プロの苦渋の決断を受け入れた。

 新型コロナウイルス禍の先行きは不透明で、今後は団体内でも「無観客試合」の是非などが議論される可能性もある。これについては「最高の空間というのはリング上のレスラーだけでつくるものではなく、会場のお客さまと一体になってつくるもの。今は想像できないですけど、やることで何かを得られる可能性だってゼロではない。経験したことのないことを100%は否定しません」と柔軟な姿勢を見せた。

 とはいえ、3月3日の大田区総合体育館大会で予定されたヒロムとの師弟対決は注目度が高かっただけに、ショックを隠しきれない。内藤は「僕自身もここまで楽しみにしていた対戦は、今までで一番かもしれない」と語った。

 大田区に足を運んだのも、中止への未練があったからなのか…と思いきや、なんとここで同じく内藤に招集されたヒロムが登場。試合がかなわなかった会場の前で、ヒロムと「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」の絆を示すグータッチを交わすと、2冠王者は「お互いが望んでいた試合ですから、この対戦は間違いなく実現するんじゃないですか。そう遠くないうちに。お互いがベルトを持ち続ければ、遅くとも来年の旗揚げ記念日には実現するカードですから。幻にはさせないですよ」と約束した。

 もちろんヒロムも同じ考えだ。「プロレスの神様が『この試合はスペシャルシングルマッチでやる試合じゃない。近いうちにジュニアとして、IWGPヘビーに挑戦しろ』と言ってくれてるのかなと。必ず実現させないといけない試合だと思ってます」と誓った。

 一方で、内藤は話し終えるまで30分もかからなかったにもかかわらず、最大料金800円の近隣コインパーキング代を本紙に要求して姿を消した。次の取材場所は試合会場か、それともファミレスか…。