【昭和~平成 スター列伝】闘魂&荒鷲タッグが半世紀前に制裁 合計600キロ!超巨漢コンビ・マクガイヤー兄弟

2022年01月10日 10時00分

約300キロのベニーを乗せて驚異のブリッジを見せる猪木(東スポWeb)
約300キロのベニーを乗せて驚異のブリッジを見せる猪木(東スポWeb)

 2022年に創設50周年を迎える新日本プロレスは「50周年施策」の一環として正月シリーズの定番だった「新春黄金シリーズ」(1月20日後楽園~2月20日札幌)を復活させた。1985年まで続いたシリーズは多くの名勝負を生んだが、初めて開催された74年の同シリーズは、多くのドラマを生んだ。

 看板は「世界最重量の双子兄弟」として認定されていた超巨漢コンビ、マクガイヤー・ブラザーズ(ベニー&ビリー)の初来日だった。同時に元UN王者のジョン・トロス、英国の技巧派ピート・ロバーツらの実力派も来日している。いずれも188センチ、300キロの超巨漢。見せ物的要素が強く、ミニバイクで入場するユーモラスな光景も手伝って大人気を呼んだ。細かい技はなく、とにかく超巨体で圧倒してフライングソーセージ(肉弾重爆撃)で圧殺するのが必殺パターンだった。開幕戦(74年1月4日船橋)では小沢正志、柴田勝久の若手コンビを2分で圧殺。本紙は「小沢をはね飛ばした兄のベニーは恐怖の肉弾重爆撃。その上に弟のビリーがドシーンと腰をおろすと、哀れ小沢は600キロの下敷きになって窒息して悶絶。世界一の大怪物マクガイヤー兄弟はすさまじい肉の猛威をふるって、第一戦を飾った」と報じている。

 一方の猪木はロバーツとのシングル戦をテーズ式のバックドロップで葬っている。集客のために兄弟を呼んだが、自らはストロングスタイルを貫くという姿勢は変わらなかった。全日本プロレスが1月23日から新・旧・現在のNWA王者を呼ぶ豪華なシリーズを開催することへの対抗心もあったのだろう。

 この後、マクガイヤー兄弟は若手と2対4、あるいは2対6というとんでもない形式のハンディキャップ戦を組まれるようになる。猪木との初遭遇は1月25日大阪。この時はパートナーの柴田が圧殺されてしまった。

 兄弟は連戦連勝を続けるが、このままでは新日本プロレスの名がすたる。最終戦(2月8日茨城・牛久)ではついに猪木と“世界の荒鷲”こと坂口征二が黄金コンビを結成。マクガイヤー兄弟制裁に乗り出した。

 猪木はベニーの圧殺弾を浴びるも、何とブリッジで返してしまう。これは見事だった。明らかに今までのショー的試合とは内容が違う。坂口の水平打ちから猪木が全体重をかけたエビ固めを決めて先取した。2本目も圧巻だった。

「猪木と坂口は2人がかりでベニーをボディースラム。コーナーポストに駆け上がった猪木は急降下ニードロップ。チャンスとばかりに坂口が体固めを決め、黄金コンビは鮮やかに2―0のストレート勝ちで最重量タッグを倒し、世界最強タッグチームの面目をいかんなく示した」

 どんな相手でもストロングスタイルを貫いて試合を成立させる猪木の真骨頂だった。

 シリーズ中の2月6日には、国際プロレスに参戦していたモンスター・ロシモフ(アンドレ・ザ・ジャイアント)の3月シリーズ初参戦が決定。最終戦から5日後の2月13日には国際のエース、ストロング小林が退団して猪木と馬場に挑戦を表明。2月25日に猪木が挑戦を受諾して、歴史に残る名勝負、猪木対小林の日本人対決(3月19日蔵前国技館)実現へ向かうことになる。まさに同シリーズは、第1回から数々の“黄金”を生み出していた。復活した22年のシリーズはどのようなドラマが展開されるのか、期待がかかる。 (敬称略)

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