【鉄旅タレント木村裕子の日本全国おもしろ鉄道】臨場感がたまらない「仮想乗車」

2020年06月16日 16時00分

ヘッドホンを着け、自宅で仮想乗車

 新型コロナウイルス感染防止のための自粛要請が、徐々に解除されてきましたね。自由に出かけられる日も近づいてきたように思います。でもまだ油断できない。この最後の踏ん張り時に、ネットで「仮想乗車」という面白い企画を見つけたので、さっそくおうちで“乗り鉄”してみました!

 初めて聞く「仮想乗車」とは、青森県を走るローカル線・津軽鉄道が呼びかけているもの。公式ホームページにこんなメッセージがありました。

「皆さまに津軽鉄道が走り続けていることを、また沿線のようすを見ていただきたく、列車からの風景を配信することにいたしました」

 さらにこんな言葉も。

「実際乗車されていないのに誠に厚かましいのですが、この仮想乗車に満足いただけた方、『これだったら乗車したも同じ』と思っていただけた方は下記口座に運賃をお願いしたいのですが…(冷や汗たらり)」

 これは社長自らのお願いです。なにやら1駅ずつ、その日に撮影した車窓が配信されるとのこと。4月27日に始まった動画を見てみると、歩きながら撮影しているようです。駅舎と改札を通ってホームに入り、止まっている列車に乗り込みました。

 ヘッドホンで聞くと、風の音やエンジン音、駅のアナウンスも聞こえて、実際にその場にいるような臨場感がたまりません。4月下旬ですが、映り込む人は寒そうな服装をしています。日によって変わる天気に田んぼ沿いをずっと真っすぐ進む線路、大きな空、沿線で揺れる黄色い菜の花…。いろんなものを見ていると、穏やかな気持ちになってきました。

 さらに5月2日に撮影された動画を見た時には、突然の風景に、思わずパソコンに向かって「わぁ」と漏らしてしまいました! 沿線名物でもある芦野公園駅にある約1500本の桜が、ピンクのトンネルとなって満開で迎えてくれたんです。

 こんな「仮想乗車」を楽しんだ人は私以外にもいたようで、津軽鉄道のホームぺージには「6月15日現在159件、138万3860円のご入金をいただきました」と報告されていました。

 ここで木村ポイント! この駅は、鉄道ファンにも有名な“桜のトンネル駅”なんです。この時期には毎年お祭りがあって、たくさんの人でにぎわいます。

 でも、今年はコロナの影響で中止となり、ホームには誰もいませんでした。桜を独り占めしているようなぜいたくな景色に、何度も“仮想往復”してしまいました♪

 それでは、仮想運賃は1駅180円からの津軽鉄道へ出発進行~!

☆きむら・ゆうこ=1982年8月17日生まれ。愛知県出身。鉄道をこよなく愛する鉄旅タレント。2015年にはJR、私鉄、地下鉄、ケーブルカー、モノレールなど、日本全国にある鉄道を全線乗車する「日本国内鉄道全線完乗」を達成。乗車した走行距離は約2万8000キロメートル。