【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑446】2021年の大みそか、今年最後となる山口敏太郎のUMA図鑑は特別編として、2021年に東スポ紙面を飾ったUMA「衝撃写真 体は熊 犬の顔 ベアドッグ」「史上最高 鮮明すぎる! ビッグフット」「カッパの美脚 史上初撮影」「防犯カメラに透明人間」などの中からナンバーワンのUMAを決定する。山口敏太郎氏を審査委員長に、UMA研究家の中沢健氏、UFO研究家の竹本良氏、そして東スポUMAデスクを審査員に加え、東スポをざっと見ながら、UMAを振り返りつつ、「第1回東スポオカルト大賞 ベストUMA賞」を選考した。

 山口 今年、一番びっくりしたのは「ビッグフット」の動画ですよね。

 中沢 リアルなUMAとしてはビッグフットの動画は素晴らしいです。これはいまだに正体が不明。つまり、まさしくUMAですから。

 竹本 東スポUMAデスクとして、今年、思い入れのあったUMA記事はどれなんですか?

 デスク 「透明人間」ですね。だって、透明だから、写ってないんです。こんなのを紙面に出していいのかなと迷いました。「透明人間を撮った」とい見出しなのに何も写っていないという。

 竹本 ああ、でも実は、これは透明人間じゃないんですよ。宇宙生物ブラック・グーなんです。液体の生物なので防犯カメラには写らないだけです。

 山口 ほかに反響があったのはどれですか?

 デスク 「ベアドッグ」ですね。これは写真のインパクトが強かったですから。これだけ見たら、熊と犬のキメラ生物としか思えない。でも、記事掲載前に「それうちから逃げた犬だよ」と飼い主が名乗り出てしまって…。

 山口 絵ヅラとしては、いかにも襲いかからんというベアドッグの顔つきがいいですよ。まあ、飼い主が出てきたので、僕も「今回は残念ですが、ひょっとしてどこかの山中では、犬と鹿のハイブリッド生物が誕生しているかもしれない」とコメントを出しましたね。

 中沢 飼い主が出てきたのに、ただの犬では終わらせない山口さんの執念が素晴らしいです。東スポの1面を飾るには、正体どうのこうのじゃなく、ビジュアルなんですね。

 山口 いやいや、でも、隠ぺい工作かもしれないですよ。本当はどこかの研究施設でつくったキメラ生物が逃げ出したのに、それを隠すために飼い主を名乗る人が現れて「ただの犬」というフェイクニュースにしたのかもしれない。

 中沢 東スポさんらしいなと思うのは「UMA騒動」の前に小さく「K」を入れていて、「KUMA騒動」という見出しにしたという。まあ、熊でもなかったんですが…。

 デスク ほかに「ネッシー」の記事も何回かやってますが、環境DNA調査(ネス湖の水に溶け込んだ糞尿やウロコなどのDNAを採取し分析)で、ネス湖にプレシオサウルスなど竜脚類系のDNAはなかったとする結論が出ているので夢がなくなりましたよね。ネッシーの記事を書く時に力が入りません。

 中沢 いえいえ、僕はネッシーの正体はプレシオサウルスの幽霊だとずっと主張してきました。幽霊だからDNAが出てこなくて当たり前なんです。つまり、ネッシーの写真というのは心霊写真なんです。

 デスク その説は夢が残りますね。

 竹本 そろそろベストUMAを決めましょうか。僕としては「カッパの美脚」かな。ビッグフットは日本のUMAじゃないもの。日本人としてはカッパがいいと思います。

 中沢 はい。この記事は涙ぐましいです。メインのカッパの美脚の画像は微妙なんですけど、イギリスや米国など世界中のカッパの画像を集めて、素晴らしい紙面に仕上げています。ネット記事ではできない、紙ならではの構成です。編集さんのセンスを感じます。

 山口 そうですね。やっぱりカッパかな。全身が写っていないところがおしゃれなんです。

 中沢 東スポさんと言えば、カッパを何回も1面で取り上げてきましたから、カッパでいいんじゃないですか。

 山口 では、第1回東スポオカルト大賞のベストUMA賞はカッパの美脚でいいでしょう。のちのち笑えますからね。第1回はカッパのしかも美脚だったんだって。決定です。