【267】南極の厚い氷の下に潜む未知の軟体生物「46—B」の正体

2018年07月20日 12時00分

「46-B」と呼ばれる未知の軟体生物(ユーチューブから)

 現代でも未知の領域が多い場所の一つに、南極が挙げられる。年間を通して気温が極めて低い厳しい凍土の環境と、大地を覆う厚い氷は人々を遠ざける。それでも少しずつ科学調査は進んでおり、さまざまな発見が報告されて注目を集めることもある。

 例えば、1974年には厚い氷の下に巨大な湖が広がっていることが発見され、南極が現在の凍土へと変わる前のはるか昔の環境が残っているのではないかと見られている。

 この湖は一番近くに基地を構えているロシアの調査団によって発見され、基地と同名のボストーク湖と名付けられた。厚い氷に覆われて日の光も差さない環境だが、そんな環境に適応した未知の生物がいる可能性も決して低くない、と言われてはいた。

 そんななか、近年、ボストーク湖で奇怪な生物の存在が報告されて話題になっている。それが「46—B」だ。体長は33メートル。幅14メートルの巨大なイカのような生物で、水中に毒素を放出し、最大150フィート(約46メートル)の距離から獲物を狙う。さらに触手で擬態を行うことが可能であり、触手の先を任意の生物と同じ形に変形でき、切断後も攻撃的で、しばらくは獲物を狙い続けるという。

 そんな驚がくの生物46—Bは2016年11月30日に行われたボストーク湖への有人探査の際に発見されたという。

 この時の探査に携わったアントン・パダルカ博士は「調査団らが46—Bに遭遇したのは数日かけて行われる予定だった有人探査の1日目だった」と語る。地上を覆う氷に人が通れるサイズの穴を開け、地下のボストーク湖まで掘り進め、そこにダイバーを潜水させるという探査だ。

 潜水しているダイバーらと基地本部の間で無線が通じなくなった。この時は誰も気がついていなかったが、強烈なまひ性の毒によってダイバーが攻撃を受けていたのだった。その後、46—Bは自分の触手をダイバーに似た形に変えて近寄り、混乱するダイバーらを捕まえて次々に襲ったという。ダイバーが触手を引きちぎり、地上の基地へと帰還したが、触手はまだ生きていた。ボストーク湖まで開けられた穴を這い上がって基地に侵入し、研究者の女性を絞め殺した。

 最終的に46—Bはタンクに封じ込められ、ロシアの当局によって押収された。この生物の発見と遭遇は公開されることはなかった。博士によれば、ロシア政府が秘密裏に46—Bを研究し、兵器化する計画を立てているからではないかという。博士はこの計画を知って国を逃れたが、ロシア政府はこれらの主張のすべてにおいて否定と黙秘を貫いている。

 にわかには信じがたい未確認生物に関する報告だが、果たしてこのような生物が存在しうるのだろうか。確かに既知の生物で巧みな擬態を見せるものは存在しており、暖かい海に生息しているミミックオクトパスは触手を駆使してウミヘビや複数の魚などに擬態する。

 だが、その擬態先はいずれもタコが見慣れている生物に限られている。恐らく初めて見たであろう人間らしき形に精巧に擬態させることは可能なのだろうか。

 また、ボストーク湖の探査は30年以上継続して行われているが、いまだに人が通ることができるサイズの穴が開けられてはいないという報告もあり、そもそも調査団の中に46—Bについての報告をした博士に該当する研究者が存在しないという話もある。

 そして何より、46—Bの描写があまりにも出来過ぎているという点もある。例えば、架空の「クトゥルフ神話」の中で、南極を舞台にした「狂気山脈」の中に登場する「古きもの」や姿を変える軟体動物「ショゴス」の要素が交じっているなど、事実や他のホラー作品を踏まえて作成した感が拭えない。

 よって、驚異の未確認生物46—Bの報告自体が単なるいたずらで作成された可能性も捨てきれないのだ。

【関連動画】Organism 46-B: THE ANTARCTIC DEATH SQUID