その動きは何を意味するのか。シーズン後半に入ってソフトバンクの「4番」にドッシリと座り、激しい優勝争いの中で存在感を放っているアルフレド・デスパイネ外野手(36)。先月の月間成績は打率3割1分6厘、リーグ3位の安打数31、同3位タイの15打点と快音を響かせ、コロナ禍で主力を欠いた打線を力強くけん引した。「勝負の9月」に入っても7試合で2本塁打、長打率5割。キューバの「国民的英雄」は、いまだ衰え知らずの打棒でホークスを支えている。

 今季は昨オフに右足首を痛めた影響で開幕に出遅れた。だが、5月半ばに一軍昇格するとコロナ感染で一時離脱はあったものの、ここまで71試合中43試合で4番起用され、打率2割7分2厘、9本塁打、29打点。「一発の怖さ」と得点圏打率3割2分9厘の数字を残して欠かせない戦力となっている。

 ペナントが佳境を迎えるにつれ、気になるのがその去就。デスパイネは今年1月に球団と1年契約を締結して、今季が入団6年目のシーズン。昨年6月にキューバ代表として戦った東京五輪予選の敗退直後、母国メディアに「家族との時間を優先したい」という考えを明かし、ソフトバンク退団をにおわせる発言をしたとして物議をかもした。

 それだけに今年のデスパイネの周辺の動きは、球団内でも注意深く見守られている。「今年は最愛のパートナーと子供たちがシーズンを通して帯同している。入団以来、初めてのこと。それが何を意味するのか。ひょっとすると、本当に今年がラストイヤーという考えがあってもおかしくない」(チーム関係者)

 家族を開幕から呼び寄せるのは、過去5年とは明らかに違う動き。夏から秋にかけて本領を発揮すればするほど、ファンを含めて気をもむ声は大きくなっており、その去就に注目が集まっている。