西武が7月31日のソフトバンク戦(ペイペイ)に2―4と逆転負けし、敵地3連勝を逃した。それでも後半戦最初のカードに勝ち越し、0・5差ながらホークスを抑えて首位。3年ぶりの覇権奪回を十分視界にとらえている。

 辻監督は「そんなに甘くなかったね」と口を開きながら「これからさらに厳しい戦いになるけど、そこで一喜一憂せずに、負けたって次に向かっていくという気持ちを持って戦っていけばいいかなと思います」と残り47試合の戦いを見据えた。

 連覇を成し遂げた18年、19年シーズンは正念場の8月、9月の戦いをいずれも勝率6割4分5厘以上の勢いで最後の坂を駆け上がって行ったライオンズ。まずは2日から始まる5週連続6連戦が勝負の9月を迎えられるかどうかの重要な試金石となる。

 中でも警戒すべきは、最大借金7を完済し、後半戦最初の敵地・ロッテ戦に3連勝したオリックス。7月を15勝9敗で駆け上がって来た昨年のチャンピオンチームとは、8月に3カード、9試合が予定されている。

 昨季は宮城に6戦全敗、山本に2勝5敗と牛耳られ、対オリックス戦は8勝15敗と大きく負け越し。屈辱の42年ぶり最下位の要因となったが、今年はここまで8勝7敗と五分の戦い。

 しかし、苦手だった宮城こそ2試合で1勝、防御率5・56と克服しているが、山本は6月18日のノーヒットノーランと合わせ、2試合、計17イニングでまだ1点も奪うことができていない。

 8月の3カードで何度、山本との対戦が巡ってくるかはともかく、昨季王者との対戦を最低五分で乗り切り勝負の9月を迎えたい西武だ。