ソフトバンク・柳田 センバツ久々出場の母校・広島商に120人分!“太っ腹”すぎる贈り物

2022年03月07日 06時15分

後輩思いのソフトバンク・柳田(東スポWeb)
後輩思いのソフトバンク・柳田(東スポWeb)

 ちゃんと見てるから――。ソフトバンクの主将にして主砲・柳田悠岐外野手(33)が、母校の後輩たちの大きな励みになっている。鷹の大砲は、第94回選抜高校野球大会(18日開幕=甲子園)に20年ぶりに出場する広島商出身。春夏7度の甲子園優勝を誇る「古豪・広商」に復権の勢いが出てきた背景には、後輩思いな「ギータ先輩」の存在がある。


 今季からソフトバンクのキャプテンに就任した柳田。漢・藤本博史監督(58)のたっての願いで「冠」が付くことを受け入れた謙虚な大砲は、構えすぎることもなく自然体でチームをまとめている。宮崎キャンプでは、柳田ゆえに生み出される絶妙な〝緊張と緩和〟で、常勝軍団の結束を高めた。

 球界において、チームにおいて、年々その影響力は大きくなっている。今や野球少年たちからは羨望のまなざしを向けられる対象だ。「野球界のスター」は母校にとっては誇り。この春、広商が20年ぶりに聖地に戻ってくる。近年「古豪復活」の勢いを増している広商野球部においても、ギータ先輩の影響力は絶大だ。

「柳田さんに気にかけてもらっていることが選手たちにしっかり伝わっている。OBたちの支えがいい方に向いていると思います」。躍進するチームを見守る学校関係者やチーム関係者の率直な声だ。昨秋24年ぶりに県大会を制し、中国大会では準優勝。2019年夏まで15年間も甲子園に縁のなかった名門に復権の兆しがある。

 柳田は母校の再興をずっと願っていた。コロナ禍前までは春の九州遠征に合わせて球場に後輩部員を招待してきた。現在、グラウンドにある打撃ケージも柳田が寄贈した。高校球界においてもウエート強化が主流の今、寮には毎年プロテインが届く。節目に送られるメッセージを後輩たちは受け取り、それを励みにしてきた。

 今回のセンバツ出場が正式に決まった1月。柳田の動きは速かった。3月の聖地・甲子園は肌寒い。部員109人分のグラウンドコートを贈る計画が当初はあった。ただ〝一方通行のエール〟を嫌う柳田は、現場の声に耳を傾けた。裏方に回る生徒たちの意見も参考に、動きやすいスエットパーカーを出場記念として贈ることを決めた。

 大会前にスタッフ分も含めた120着が母校に届く予定で、後輩たちは「広商のプライド」を今一度かみしめるはずだ。気品ある紺色基調で、背中には柳田がフルスイングするシルエットが入っている。大会を目前に控えた後輩に、柳田はこうメッセージを送る。

「とにかく甲子園という舞台を心から楽しんでもらいたいです。フルスイングして、思う存分に聖地を駆けまわってください」

 広商野球部で過ごした3年間は「地獄。二度と戻りたくない」と語ったこともある。だが、学校の教室では教えてもらえない「世の中に出てから大切なものを教わった」と振り返る貴重な3年間だった。多感な少年時代には理不尽に思えたことも、そこでの忍耐が今の自分を形成する下地になったと感謝している。

 最近はアマチュア指導に熱心なイチロー氏(現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が、球児の潜在能力を引き出すことで話題だが、柳田も負けていない。有形無形のパワーで「古豪復活」に燃える後輩たちの背中を押している。

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