それでも指揮官は強い信頼感を置いているようだ。パイレーツの筒香嘉智内野手(30)は「4番・一塁」で先発出場し、3打数無安打1四球。チームも2―4で敗れ、今季初の同一カード3連敗を喫して借金2となり、ナ・リーグ中地区首位・カージナルスとの差は3ゲームとなった。

 筒香にとっては2試合連続の無安打。2回の第1打席では右翼へ強烈な当たりを放ったものの、右翼手レンフローのダイビングキャッチに阻まれた。カージナルス先発の右腕ウッドラフにチームは6回まで1安打無得点に抑えられる展開となり、筒香のバットからも快音は響かなかった。

 そうした中でも7回先頭の第3打席では2番手のボックスバーガーから四球を選び、2試合連続の出塁。得点にこそつながらなかったが、今季通算8つ目の四球をマークしている。

 一方、パイレーツの地元紙「ピッツバーグ・ポストガゼット」は、この日の電子版で「パイレーツ、デレク・シェルトン監督がヨシ・ツツゴウのパワー復活を確信」と題した記事を掲載。その記事の中でシェルトン監督が筒香に関し「今はまだ〝Aスイング〟ではない」と評しながらも「われわれはヨシがボールをドライブし、球場の外に打つ能力を持っていることは分かっている。もしも彼が打席を放棄しているように私や私たちが感じたら心配になるが、今はその正反対で全くそのようなことはない。私は近いうちに必ず彼が本来の〝パワー〟を取り戻す時が来ると思っている」と述べていることを紹介した。

 その上で番記者のジェイソン・マッコイ氏は同記事で「シェルトンにとって心強いのは調子を崩す中でもツツゴウが他の打席においてどのように対応しているかだ。指揮官は目先の安打数のみで右往左往するような素人発想の短絡的見解を抱いてはいない」とも補足。上り調子でない中でも実は通算8四球を選び、進塁打も放つ筒香の〝渋い働きぶり〟を指揮官が見逃すことなく評価していることを解説している。

 開幕から本塁打は「0」のまま12試合不発となっている筒香。打率も1割9分4厘にまで低下しただけに、そろそろチームの4番として指揮官の期待に応えるべく豪快な一発を放ちたい。