エンゼルスの大谷翔平投手(27)がメンズ雑誌GQの独占インタビューで「野球の顔と言われてうれしい」「(野球が)アメリカで一番人気のあるスポーツになってほしい。そのために何かできるなら、何でもしたい」とメジャーの“新しい顔”としての覚悟を語った。12日(日本時間13日)に電子版で公開されると複数の米メディアが一斉に報道。昨季、二刀流で歴史的なシーズンを送った大谷への注目度、野球人気復活の切り札としての期待の高さが浮き彫りになった。

「GQ」(電子版)に「大谷翔平がどう野球を再び楽しくしたか」のタイトルで掲載された大谷のインタビューが話題だ。同誌が12日に公式ツイッターで表紙写真を公開、電子版で報じると米スポーツ専門局ESPNやCBSスポーツが電子版で相次いで速報した。同誌のスポーツ特集号は初で、表紙は数パターンあり、大谷はその一人だ。

 インタビューは、シーズン終了後にカリフォルニア州ニューポートビーチのボートの上で行われており、岩手県奥州市での野球少年時代から、二刀流でメジャーに挑戦して新人王に輝いた2018年、右ヒジ手術後に経験した苦労、満票でMVPを獲得した21年、影響を受けたマリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏(48)の言葉や野球に対する大谷の思いなどがふんだんに紹介されている。

 同誌は昨季を振り返り「我々が見た翔平の夏は、大谷がスポーツ界においても珍しい存在になっていく過程だった。米国において、数少ない意見が一致する存在。しかしそれ以上に、瀬戸際に面している野球を1人の選手が取り戻してくれるかもしれない確かなサインだった」と、新しい野球の顔となったとした。

 その役割に対しプレッシャーはないかと聞かれた大谷は「プレッシャー以上。実はそう言われてうれしい。自分がなれる最高の選手になるためにここにいる。『野球の顔』と言われるのはうれしいし、今後の大きなモチベーションになる」と覚悟を語った。

 その上で「実際に、本当にいい1年というのはまだ21年しかない。たった1年。だから継続できるよう、何年も素晴らしい年を過ごせるモチベーションになる」と継続した活躍を誓った。

 また、長年心配されている野球人気低迷に対しては「今の現状に満足している。特に何かを大きく変える必要はないと思う」と答えると、再び覚悟を語った。「野球はアメリカで生まれたものだから、個人的にはアメリカで一番人気のあるスポーツになってほしい。そのために何かできるなら、何でもしたい」

 そして「でも、世界で野球を見た時には、限られた国で野球が人気で、サッカーやバスケットボールに比べたらプレーする人は少ない。でも、野球が人気の国では、それはそれは人気がある」と訴えた。

 筆者ダニエル・ライリー氏は「野球人気が低迷しているのはアメリカ的な考え方で、野球が死んでると思うなら日本に来てみなよというメッセージ」と捉えたという。

 電子版ではエンゼル・スタジアムで白と赤を基調としたデザイナー服を身につけレトロファッションを着こなす大谷の写真も数多く掲載されている。

 日本語版は「3月号」として2月1日に発売される。ファン必見だ。