思わぬ形でのセンバツ出場となった。部員13人の新型コロナウイルス集団感染で第94回選抜高校野球大会(18日開幕)の出場を急遽辞退した京都国際に代わって17日、近江(滋賀)の繰り上げ出場が決定。これを受けて近江・多賀章仁監督(62)が大会本部を通じ、コメントを書面で発表した。

「大会前日に、予期せぬ連絡を受け正直複雑な心境です。まず今回辞退された学校の選手の心情を思うといたたまれない気持ちです。試合に向けて最善の準備をして挑まれる初戦が目の前であったことを思うと、監督さんの無念さは計り知れません。その思いを心に留め、初戦に向けてできる限りの準備をして臨みたいと今は考えております」と無念の決断を強いられた京都国際の面々の心情を慮った。

 そして、ここまでの流れについて「1月26日に、近畿の補欠校の1番手となってから、もしもの時に備えて、練習をやろうと選手に伝えました」と打ち明け「モチベーションを高く保ち冬を乗り越えられたことの要因に補欠校であったことと、心ひとつに部員の思いが結束し充実した日々が送れたように思います。今出場が現実のものとなり、チームはさらに強い絆ができ、昨夏のチームに近づけると期待が持てます」とも説明。全員一丸となっていることを強調し、最後は「けが人もなくベストメンバーで戦えると思います」と力強い言葉で締めくくった。

 19日の大会2日目第3試合で長崎日大と戦う近江は京都国際の思いも背負い、気持ちを切り替えて全力で頂点を目指す。