新戦力の元気印に、「世界のカワサキ」も脱帽だ。BC栃木の川崎宗則内野手(41)が14日のBC埼玉戦(宇都宮)後、この日初登板初先発を迎えたティモンディ・高岸宏行(29)を絶賛した。

 プロ入り後初めてのマウンドに上がった高岸は、緊張した表情を見せながらも2回52球を投げ、2安打5四球の3失点。川崎はピンチの場面になると積極的に後輩ルーキーへの声掛けを行い「いい顔してる!」「元気玉を集めて!」と鼓舞していた。

 終始笑顔で全力で野球を楽しむ姿を見せたルーキーに「元祖・元気印」でもあるムネリンは感動。試合後の囲み取材で自ら言葉を切り出すと「今日はほんといい投球をしてくれました。彼の投球が僕らに元気を与えてくれました。本当にうれしかったです。たくさんお客さんも呼んでくれたし、こんなにいい経験はありません、非常に今日は緊張したゲームでしたけど、高岸君のおかげでパワーをもらって、本当に素晴らしい試合でした、高岸君本当にありがとう! 栃木ゴールデンブレーブスに入ってくれて、高岸君、本当にありがとう!」と熱い思いを激白した。

〝高岸フィーバー〟でこの日は5000人超のファンが集結。異例の数の声援にベテランの川崎ですら緊張したようで「今日は高岸君だけじゃなくてみんな緊張してました。僕たちも緊張したし、こんなにたくさんのお客さんが入ることもないので、みんなの緊張を高岸君に分けてもらいました。非常に助かりました。やっぱり緊張することこそ人生! 緊張しないとダメですもんね。良かった。いい緊張をもらいました」としみじみと語った。

 新人右腕の〝神対応〟に心打たれた。2回、先頭・青木に甘く入った136キロの直球をとらえられ左中間への先制ソロとされると、まさかの被弾した高岸本人が笑顔で打者を祝福。「すごい!」と大声で驚嘆すると青木も思わず苦笑いで、スタンドのファンからも笑い声が漏れていた。

 これを見た川崎は「本当に素晴らしいよね。プロ野球選手として相手の選手をリスペクトするああいう気持ち、非常に大事だと思うし、勝負の世界ではあるけれどスポーツなので。相手を褒めるというのもこれから必要だと思う、相手がいるから自分がプレーできる、これが薄れてきている野球界だと思うので、そこで高岸君が『ナイスホームラン』といったのは、僕らも見習うべきだと、すごく感動した一言でした」と大絶賛だった。

 世界を笑顔にした男に称賛された新・元気印の高岸。今後も師弟コンビの動向から目が離せなくなりそうだ。