日本ハム・大引啓次内野手(30)が6日、今季取得した国内FA権を行使して他球団へ移籍する意思を表明した。千葉・鎌ケ谷の球団施設で会見した大引は「今後の野球人生を考えた時に、他球団の話を聞きたい。(残留の可能性は)限りなく少ない」。ヤクルト、楽天が獲得に興味を示しており、昨年1月に糸井らとの緊急トレードでオリックスから獲得した主将の流出は、日本ハムにとって大ダメージとなる。
「(宣言残留の可能性は)限りなく少ないと思っていただいて構わない。フロントの方には引き留めていただいて感謝しています。でも野球をやるのはグラウンドなので。(決断理由の)一番は現場の声が聞けなかったこと」
大引は言外にCSファイナルステージ敗退からこの日までの間、交渉のすべてを球団フロントに丸投げし、自ら引き留めのアプローチをしてこなかった栗山監督への不信感をにじませた。
そして「ポジションは与えられるのでなく奪うものだと思っている。でも自分の中での不安だったり、不満があってこのままキャプテンとして戦うのはこのチームに対して失礼。若い選手たちに対しても迷惑をかけるんじゃないかなと思う。このユニホームを着たまま来シーズンを戦う情熱が薄れてきている」とも。
できる範囲でギリギリの監督批判を展開していたが、周囲の話では指揮官への不信感が決定的になったのがCSでの起用法だったという。
関係者は「先発起用されながら2打席で簡単に代打を出されていた状況はしょうがないとして、本人が一番プライドを傷つけられたのは(3年目の)近藤の遊撃起用。捕手から三塁へコンバートされたばかりの選手を、試合終盤で簡単にショートを守らせた。守備にプライドのある選手にとってあれは屈辱でしょう」とCSファイナルステージで2度あった屈辱起用が、FA権行使の決定打だったと振り返る。
しかし、この栗山采配も元をたどれば今季、球団が「世代交代」という名の育成効率化を急ぎ過ぎたことのツケ。間違いなく指揮官の采配に多大な影響を与えている球団方針の反動でもある。
事実、シーズン中から「このチームには若手とフェアな競争をさせてもらえない現実がある。本来、レギュラーというのは先輩を乗り越えて奪うものなのに、球団からポジションを与えられて本当の自信はついてくるのか?」と球団方針を理解はしながらも、居場所を失っていく中堅、ベテラン選手の不満が現場に渦巻いていた。大引だけではない。その近藤にポジションを明け渡すほかなく、いまだFA期限の11日まで行使の可能性を模索している34歳・小谷野の不穏な動きもある。
今季でGM職を退任する山田GMは「大引には何としても残ってほしいが、選手も当然生活をかけてやっている。新旧交代時の(選手の心理的な)バランス(の取り方)というのは難しい」。想定外の“キャプテンの反乱”に顔色は冴えなかった。












