現在もアニメなどで人間と他の動物を融合させたキャラクターは多く描かれ、それらに萌える人たちを「ケモナー」などと呼んでいる。

 単純にデザインがかわいい、かっこいいというだけの話ではなく、その動物の能力を持つことで個性が発揮される点もあるだろう。

 そもそも半獣半人の怪物などは古代から神話などで語られ続けてきた。人間にとって自分たちとは違った能力に秀でた動物たちに対して、一種の憧れもあったのだろう。しかし、それは創作の中であがめ、恐れられるだけの存在ではない。人間に親しまれて愛されたものもあるのだ。

 1880年代に米国の見世物小屋で活躍していた「ジェイク」は、上半身が年配の男性、下半身は爬虫類という、なんとも奇妙な生き物である。ジェイクについては話だけでなく、そのミイラを収めた写真も残されているのだ。

 人間から簡単な質問をされると、ジェイクは首を縦や横に振ってコミュニケーションを取ったとも言われている。人語を発することはできないが、理解する能力はあったというわけだ。他にもたばこを差し出すとおいしそうに一服したとも伝わり、ユーモアやサービス精神のようなものも持ち合わせていたことがうかがえる。

 話題にはなったものの彼は割と早く亡くなってしまった。前述の通り、写真しか残されていないので生物としての実在は判別不可能。似た生物が付近で生息していた形跡も見当たらないため、生物学的にも不明なままである。

 しかし、ジェイクは人間部分と爬虫類の部分の境目が細く見え、切断したワニの体に人間を取り付けたフェイクではないかという見方が現在の主流のようである。筆者も実在よりも、職人による“よくできたミイラだ”と推測している。彼は今もワシントン州ロングビーチにある博物館に展示され、人々を楽しませている。

 逆に米国では1970年代に「ゲーターマン」という、頭がワニで体が人間の怪人がいたと言われている。夜中になると街をはいかいし、人間を食べるという恐ろしい存在だ。こちらは都市伝説的な扱いをされているが、一体どのようにして生まれたのだろうか。気になる存在である。