【泌尿器科医・高橋亮 シモの話】新型コロナウイルスと梅毒って実は結構似てるんです。いやいや、片や性病と片やパンデミック(世界的大流行)なのだから全然違うでしょうが…と思われるでしょう。しかし、行政側の取り扱いや、私たち病院側の発生時の事務手続きは両者ともかなり似ているのです。それは感染症法という法律によるものと思います。
PCR検査などで新型コロナウイルスへの感染を診断した場合、私たちはファクスかインターネットで保健所に報告をしなくてはなりません。そうすると、それを見た保健所の職員(主に保健師さん)から患者さんの携帯電話に直接連絡がいきます。そしてこの聞き取りをもとに入院先を探すのか、ホテル療養になるのか、自宅療養になるのかが決定されます。現在は感染者数の急増によってホテルも足りなくなり自宅療養となることが多いようです。
では、なぜ保健所の方は患者さんの携帯番号を知っているのでしょうか? それはこちらが送るファクス用紙に、患者さんの名前や住所、電話番号といった個人情報が記載されているから。これをもとに保健所は連絡を取るわけなんですね。
一方、梅毒の場合も、感染を確認した場合、同じようにファクスを送ることとなります。意外かもしれませんが、用紙の様式も新型コロナウイルスのものとよく似ています。ただ1点、明らかに異なる点があり、患者さんの名前や住所を書く欄がありません。性別と年齢だけで良いのです。よって保健所側に詳しい個人情報が知られることはありません。これは患者さんにとっては少し安心なのではないでしょうか。
なお、このファクスですが、受け取りの確認連絡などは先方から一切来ません。よってどちらかの機械が不調できちんと届いていなかったらどうしようと常に不安になるんですよね…。
ちなみに梅毒は5類感染症です。現在コロナウイルス感染症をこの5類に引き下げようという動きがあります。近い将来、コロナと梅毒が名実ともに法律上の同格になる日が来るのかもしれませんね。
☆たかはし・りょう 神奈川県出身。2003年日本医科大学卒業。日本泌尿器科学会指導医・専門医。日本医科大学付属病院嘱託医。ED、早漏、AGAなどをはじめ、前立腺がんなど泌尿器科にまつわる疾患全般を扱う動坂下泌尿器科クリニック(東京・文京区)院長。












