ノーベル医学生理学賞を2018年に受賞した京都大学の本庶佑特別教授(79)が、がん免疫治療薬「オプジーボ」の特許使用料262億円の支払いを製造元の小野薬品工業に求めた訴訟で、本庶氏と同社の相良暁社長の尋問が2日、大阪地裁(谷有恒裁判長)で行われた。

 06年の契約では本庶氏に対する特許料の配分を、小野薬品に入る1%以下としていた。その後、オプジーボの特許権侵害をめぐる米製薬会社との訴訟に本庶氏が協力した場合、同社から支払われる金額の40%を配分すると相良社長から口頭で提案があり、応じたのに1%分しか支払われていないとして、差額の262億円を請求している。

 小野側は40%の提案を事実と認めたうえで、本庶氏から「はした金だ」と拒絶されたと反論。一方、本庶氏は「はした金」は1%のことだと主張し、1%程度の配分は「国際的なスタンダードではない」と批判。社長の40%提案は有効として「社長の申し入れをなかったことにするなら驚きを隠せない。学者の世界ではありえない」と訴えた。

 製薬会社関係者は「契約の後に数百億円の投資をして、数十%を他の製薬会社から取るという形になるので、新薬の開発は製薬会社にとって大きなリスクが伴います。研究の成果のレベルはありますが、早い段階であれば海外でも配分が1%は普通です」とみる。

 さらに、口頭で40%の提案をしていたことについて「契約を結ばずに払えば株主から訴えられかねないし、不正利益供与にもなる。本庶先生の言う通りになれば、厳格な契約社会である海外の製薬会社が日本のアカデミアと契約しなくなることすら考えられます。契約で決まっていることを後から『低かった』と言われても、それでは契約を結ぶ意味がなくなりますね」と指摘している。

 果たして司法の判断はいかに…。