【現役医師がぶっちゃけ 女医のお部屋】夏は食欲がなくなったり脱水症状を起こしたり、何かと体調を崩しやすい季節だ。この暑い時期に流行する夏風邪にも要注意。代表格ともいわれる「手足口病」は小さい子供が発症することが多いが、大人も感染するリスクがある。症状や感染対策を内科医の青山彩香先生に教えてもらおう。
――そもそも、夏風邪とは
青山彩香医師(以下青山)風邪を医学用語で感冒といい、鼻汁、咳、喉の痛みが特徴的です。風邪は主にウイルス感染であり、夏風邪は夏に流行するウイルス性上気道炎を指します。ウイルス性なので自然治癒する疾患がほとんどなのですが、ウイルスの中にも暑くて湿度の高い環境を好むものがおり、小児でプール熱とされるアデノウイルス、手足口病の原因となるエンテロウイルスやコクサッキーウイルスなど…それらが夏に流行するので夏風邪と呼ばれ、その代表に手足口病があります。
――手足口病の主な症状と治療法
青山 手足口病では発熱後、口腔内を中心に、水疱、びらん、潰瘍が出現し、その後、手・足・下腿に水疱が見られます。治療は対症療法となり、ゆっくり休んでもらうことが基本です。熱があれば熱冷ましなど症状に対する治療を行います。根本的にウイルスをやっつける薬はありません。ほとんどは数日間で治りますが、まれに髄膜炎など様々な症状が出ることがあります。
――子供が感染しやすい理由
青山 小さな子供がおもちゃで遊んだ際に口に物を入れたりすると、おもちゃなどに付着したウイルスが口の中に入り感染するリスクが高くなるからです。
――大人が感染する場合はどのような感染経路が考えられますか
青山 飛沫感染や接触感染が考えられます。小さな子供の親や保育士の先生は、お世話をするので感染のリスクが高いと言えます。また、お孫さんとよく接する方も注意が必要でしょう。糞口感染といって、子供のオムツを交換した時によく手を洗っていないと感染してしまう場合があります。普段は病気になりにくい方でも、疲れて免疫が下がった状態だと、感染し、症状が出る場合があります。
――どのような対策を行えば良いのでしょう
青山 コロナ対策同様、手洗い・うがいをこまめに行いましょう。規則正しい生活を心がけ、免疫を低下させない。エアコンの冷え過ぎに注意することも大事です。
――手足口病にかかってしまった場合に気をつけることは
青山 手足口病にかかるのはほとんどが乳幼児ですが、子育てにお疲れのご両親にうつってしまう可能性はあります。手指消毒を心がけ、オムツを交換した後は必ず手を洗いましょう。治癒後も便の中にウイルスが排泄されるため、しばらくは便のオムツ交換後に手を洗うことを心がけてください。また、手を拭くタオルは湿っているとウイルスが繁殖しやすいので共有しない方が良いでしょう。マスクをしたほうが良いという論文等は見つかりませんでしたが、気になる方はマスクをしても良いかもしれません。
☆あおやま・さやか 日本内科学会、日本病院総合診療医学会所属。2019年に富山大学医学部を卒業後、水戸協同病院にて初期研修。21年4月から水戸協同病院総合内科で勤務。